寝 ページ8
初芽は三成の膝枕でスヤスヤと眠りについていた。
ー今日初めて会った奴に、ここまで心を開くか?ー
三成にはこの娘が何か企んでいる気がして、きが気でなかった。
しかし、スヤスヤと気持ち良さそうに眠る初芽を見ているとそんな思いも消え、三成まで眠くなってきた。
「…!」
ー もしかしたらこいつは私が眠るのをはかり、その隙に首をとるつもりかもしれないー
そう思った三成は手元にある刀を取ろうとした。もう少しで届きそうだが、数センチ足りない。
ーとれた!ー
「どうされたのですか?」
三成が刀を手にしたとき、膝に寝ていた初芽が目を覚ました。
猫のような赤い目が三成を見つめる。そして、初芽はもう一度同じ言葉をくちにした。
「どうされたのですか?」
三成は固まったまま動かなかった。否、動けなかったと言った方が正しいだろう。
まるで、今さっき考えていたことが、その赤い目に見透かされているようで小さな恐怖に三成はとらわれていた。
「三成さまが心配することなんて何もありませんよ」
初芽がニコッとしたため、三成の心をとらえていた恐怖がほどけた。
初芽の手をみると太刀がしっかりと握られていた。そういえば、寝ているときも初芽はずっと太刀をにぎっていたのだ。
「三成さまに敵が飛びかかってきたら、初芽めが、ぜーんぶ斬りたおしてあげますからね!」
初芽はそう言って三成に抱きついた。
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作者名:びるね | 作成日時:2016年6月19日 17時