凶王の影は天狗の少女でした (ページ6)

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お泊りページ6

夕食の時間
「初芽ちゃんは見かけのわりに幼いんだね」

凄まじいスピードでご飯にぱくつく初芽を見ながら半兵衛は言った。

「ほめほほばでふか？」(褒め言葉ですか？)

家康に問いかける初芽に対し家康は返した。

「一応、褒め言葉としてとらえておいていいんじゃないか？」

初芽は少しむせながら口の中に入っていた物を全て飲み込むと席を見回した。

ーー大きな人は秀吉様ーー
ーー仮面の人は半兵衛様ーー
ーー包帯の人は刑部さんーー
ーー犬みたいな人は左近さんーー

しかし、席に三成の姿はなかった。

「ごちそうさまですっ」

そう言うが早いか初芽は駆け出して行った。

「初芽ちゃん？！どこにいくんすか？」

しかし左近がそう言ったとき初芽の姿はすでになかった。

「失礼しまーす」

三成の部屋に急に初芽が入ってきた。

「わぁー！いいなぁ！」

入ってきた途端、初芽は一つのポンチョに目をつけた。

それは半兵衛が子供の三成(佐吉時代)に作ってあげた。ものだった。

「勝手にしろ」

「わー！ありがとうございます、三成さま！！」

「みつな…いや、あっている」

初芽がフードをかぶる。隙間からでた銀色の髪が月の光に反射し光っていた。

ー綺麗だー

三成は素直にそう思った。