前髪さん ページ4
「家康さまぁー!!」
初芽は大阪城を駆け回っていた。
家康と一緒に大阪城に来たのはいいが、初めて別のお城に来たので興奮して駆け回っているうちにはぐれてしまったのだ。
「家康さま、どこかな?」
初芽が半泣きになっていると目の前の襖から音が聞こえた。
「家康さまっ!?」
スパーーンといい音をたて襖を開けるとそこにいたのは前髪が三角の目つきの悪い男の人だった。
「家康さまじゃないのかぁー」
「誰だ!貴様!!」
初芽がしょんぼりすると、その男は問いかけた。
「名前を聞く時はまず、自分から名乗るんだよ前髪さん」
「前髪さんだとぉ?!」
男は 初芽を斬ろうとしたが、ニカッと笑う初芽の顔を見ると何故か斬れなかった。
「ふん」
「前髪さんの名前は?」
「前髪さんと呼ぶな!!それに貴様が自分なら名乗れと言っただろう」
そっか、と 初芽は微笑むと男に指を突き出して言った。
「僕の名前は初芽局!!家康さまにつかえる忍びなんだよ?どうだ!すごいでしょう!」
初芽はへへん!と自慢げにいい、男にといかけた。
「ね?!名前教えて!」
「 石田三成だ…」
「いしだ、みつなり…さん?」
初芽が聞き返し、またパァァと笑顔になると言った。
「よろしくお願いしますね!!みちよりさま!」
「三成だ!!」
初芽と三成はこうして出会った。
この時初芽はまだ、この人に将来つかえるなど、知りもしなかった。
そして家康と争うということも…
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作者名:びるね | 作成日時:2016年6月19日 17時