凶王の影は天狗の少女でした (ページ2)

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味方ページ2

今日も少女と会うため同じ道を歩いていた。

(さすがにいつも同じ場所にはいないか…)

家康が諦めかけていた時、町の子供たちが何やら走って何処かへ行っているのをみた。

「おい！聞いたか？」

「おいら見たよ！おっかあか、おっとう呼んだ方がいいかな？」

「どうしたのだ？」

家康が聞くと町の子供は家康の袖を引っ張って走り出した。

「ついてきて！」

子供についていくと枝に吊るされた、あの少女がいた。

少女の周りにはむ無数のカラスがたかっている。

先にいた子供たちは枝に吊るされた少女を不思議そうに見ていた。

「こら！お前たち！こんなものは見てはいけません！」

子供たちの母親だろうか。

子供たちを連れて何処かへ行こうとしたところを家康はひきとめた。

「待ってくれ。この子は見捨てるのか？」

「家康様。そこの子は私達の家の鶏を勝手に食べたのです。ですから、お仕置きをしているんです」

ー仕置き？このまま吊るしておけば少女は死んでしまうだろう？ー

家康にそんな思いがこみ上げた。

「この子を今すぐほどけ」

「しかし家康様…」

「ほどけと言っているんだ！」

いつも優しい家康様が怒っている。母親はすぐに少女をほどいた。

少女は驚いたようで、すぐに家康から逃げようとした。

しかし、少女はうまく歩けず、家康に倒れこんだ。

「大丈夫、逃げなくてもいい。ワシはお前に酷いことはしない。どうだ？ワシと一緒にこないか？」

少女はぽかんと口を開け、家康を見つめた。

その途端少女のお腹が「ぐるるる」となった。

「腹が減っているのか？なら、ワシの城で飯を用意しよう！大丈夫ワシはお前の味方だ」

このようにして家康と初芽はであった。