【カゲプロ】やっぱり君が大好きだから＿＿。【カノ】リクエスト短編集

浴衣 ページ19

今日は土曜日。

待ちに待った花火大会当日だった。



A「おぉ…！」


久しぶりに着た浴衣だったけど

全身鏡で見る限り

なかなか様になっている姿を見て

小さく歓声をあげた。


っていうか、まだ浴衣がぴったりのサイズだったことにびっくりする。


もう少し大きくなりたいなぁ…。

せめてカノくらいの身長に…！


そんな冗談を想像しながら

お団子風にアップさせた髪に

浴衣と同じ色の花飾りをつけた。


カノ「Aー！準備出来た？」


A「うん！出来たよ！」



大好きなその声に答えて

部屋のドアを開けた。


カノはやっぱりいつものパーカー。

まぁ、何を着ててもかっこいいと思うんだけどね。


カノ「A凄い似合ってるよ。可愛い。」


A「そうかな…。折角の花火大会だからと思って。」


カノ「じゃ、行こっか。」



何故かほんのり頰を染めたカノ。

二人で並んで歩く道は

すっかり日が落ちて涼しかった。


カノ「屋台もあるみたいだからさ、花火が始まるまで行ってみようよ！」


A「楽しそう…！あ、金魚すくいだ！」


カノ「本当だ！一回やってみたら？」


慣れない下駄と人混みにつまづきそうになりながらも金魚すくいの屋台まで歩くと

いつの間にかカノがポイを持っていた。


カノ「はい」

A「ありがと」


差し出されたポイを受け取って

水槽の中をスイスイと泳ぐ金魚に視線を移した。

狙いは端の方の赤い金魚。



A「…すくえた…！」


カノ「本当だ！おめでとー！」


しかも二匹。

狙いの金魚の近くにいた金魚まで

一緒にすくうことが出来たらしい。


袋に入れてもらった二匹の金魚は仲良さげに

クルクルと回っていた。



A「可愛い…！」


カノ「この金魚達、何だか僕らみたいだね。」


ニコニコと笑ってカノはそう言った。

袋の中の金魚を見て言葉の意味を理解すると

顔はボッと音が出るほど

真っ赤に染まった。


カノ「あ、そろそろ花火始まるよ」

A「うん！」

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