A word ページ8
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少しくらいなら
と誘われた通り
ノンアルコールということもあり
俺たちは一時間ほどで店を出た。
会話は、俺が辞めた後の学校や、先生たちの話が主で
正直盛り上がりには欠けた。
いや、
頭の中がキミでいっぱいになってしまった俺が
二宮先生の話についていけなくなった。ってのが本当のところ。
二宮先生は、空気を読んで早々に「そろそろ帰ろう」と言ってくれたのだ。
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「今度は相葉先生と大野先生も誘って飲みに行きましょうね」
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車とバイクを置いたままの学校に戻る道のりを歩いている時
そう言われたけど
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潤
「はい…」
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俺は前に、二宮先生と
あの焼き鳥屋からこうして二人並んで
学校に戻った日の記憶を甦らせていて
上の空だった。
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あの頃の俺は
彼女に夢中だったのにも拘らず
里美との関係も断ち切れないで
結婚の方向へと話が進んでいた。
その頃、
彼女にもっと、強い意思表示をしていれば
未来は変わったかもしれない。
と、また
いつものくだらない後悔だ。
はぁっとひとつ溜息を吐いて
現実世界に頭を戻す。
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「あ、そうだ僕も
好きな人ができました」
潤
「え？」
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リトルカブのエンジンがキュルキュルと鳴く中
ヘルメットを装着しながら二宮先生が俺を呼び止めた。
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「誰にも内緒ですけどね
相手はまた生徒なんです」
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ブンと大きくエンジンを吹かして
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「今度は後悔しないように頑張ります」
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バイクは門を飛び出して行った。
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潤
「え！」
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俺の声は虚しく
とっぷりと暮れてしまった
静かな夜に響いた。
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潤
「生徒…か…」
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車に乗ったのはいいが
二宮先生の棄て台詞がいつまでも耳に残って
なかなか車を出せないでいた。
かつて、教え子と恋に落ちたことがあった。と
彼から直接聞いたことがある。
それは悲しい結末で
新しい恋に臆病になっていた彼がだ
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潤
「そうか…」
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一歩、踏み出したことが
俺にはとても嬉しかったのだ。
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潤
「後悔…」
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そして彼のその一言は
俺の抑えていた感情を奮い立たせてしまった。
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- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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まるこ(プロフ) - 初めから一気に読ませていただきました。主人公ちゃん、高校生なのに、大人の恋愛小説を読んでるようでした。切ない(/_;)さらってほしかったなー。。。 (2015年3月30日 17時) (
レス) id: 97787a6ed9 (このIDを非表示/違反報告)
美翔 - ゆなさん» 前作を見てもらえればわかりますよ(笑)URL載せときます!!! (2015年3月17日 10時) (レス) id: d7d56eaac3 (このIDを非表示/違反報告)
Σ(●`∀´●) - めっちゃくちゃ良かったよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー！ (2014年9月8日 1時) (レス) id: 0f1a743a9e (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 話の内容が理解出来ませんでした（泣） (2014年7月21日 0時) (レス) id: 99a29e3e26 (このIDを非表示/違反報告)
ごっち - めっちゃ、よかったです。松本センセ、最高です (2013年12月27日 18時) (レス) id: 582ebf52db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美翔 | 作者ホームページ：http://bokuradakeniwakaruyouna合図//mika
作成日時：2013年11月6日 18時
