10.嫌なデート ページ10
A「何故私がこんな事をしなければいけないの?」
日曜日の昼下がり。
Aはいつもの無表情な顔に不機嫌を思い切り浮かべ、カフェテラスで頬杖をついて荒くため息をついた。
事の発端はこうだ。
貴利矢は計画を疑っていて危険だと、しかも自分をデートに誘うなど何を考えているのか分からない、と黎斗に話したところ、まさかの返事が帰って来た。
黎斗「君をデートに?、、じゃあ、、Aくん、行っておいで」
A「何故です?何か策略かもしれません」
黎斗「ああ。九条貴利矢がゼロデイやバグスターウイルスについてどこまで知っているのか探って来てくれ」
面白そうに笑う黎斗とは対照的にAは全く乗り気では無かった。
あの貴利矢の口車に乗せられると、探るどころかこちらのボロが出てしまわないか不安だ。
貴利矢「やぁAちゃん!本当に来てくれたんだ!嬉しいね」
自分が誘ったくせに貴利矢は20分の遅刻。
A「来なくても良かったのでしたら帰らせて頂きますが」
貴利矢「ちょっと待ってくれよ!遅れたのは謝るからさ」
いつものアロハシャツに革ジャン姿でニコニコしてAの前に座る貴利矢を不機嫌な顔のままで見ると、逆に頭の先から足の先までジロジロ見られてAの眉間に皺が寄る。
貴利矢「Aちゃん、いつものスーツ姿より断然良い!ワンピにブーツ、超可愛いわ!デートって意識してくれたの?」
A「九条先生、本日の御用件は何でしょうか。」
貴利矢「用件?さぁ〜何だったかな?」
A「九条先生!」
笑いながらメニューを見る貴利矢に段々と腹が立って来る。
貴利矢「自分、ロコモコセット。Aちゃん、何食べる?」
A「真面目に聞いて頂けますか?」
貴利矢「だからデートだって言ったでしょ〜?ほら、何食べる?」
やはり九条貴利矢は苦手だ。
全く彼の思惑が掴めない。
それからランチを食べ、貴利矢は幻夢の事もバグスターの事も全く触れずにあれこれ喋り続けた。
貴利矢に誘われるまま、海沿いの遊歩道を並んで歩く。陽も傾き夕陽が水面にキラキラと薄いオレンジの光を反射させていた。
貴利矢「デートって感じのコースだろ?」
Aの顔を見てニッと笑った貴利矢は突然Aの手を握った。
A「九条先生?」
握られた手の感触に思わず手を引っ込めようとすると逆に強く握って真剣な顔で見つめられた。
貴利矢「バグスターも恋とかすると思う?」
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大崎舞子(プロフ) - kojiさん» 最後までお読みいただきありがとうございます!大好きだなんて、、うれしいです!!大人セクシー路線の黎斗とグラファイト、お楽しみいただけて良かったです! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - Hyuiさん» 皆さんにご理解頂けるか謎過ぎたグラファイトとの関係ですが、ホッとしました! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - moon791さん» いつもコメントありがとうございます!とても励みになりました^_^書けば書くほどグラファイトを好きになって大変でした爆 またどうぞよろしくお願いします! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - 双羅さん» 最後までお読みいただきありがとうございました!こんな夢主ちゃんを受け入れてもらえるかちょっと不安だったのですが、ありがとうございます!貴利矢も大好きなので頑張ってみます! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
koji(プロフ) - お疲れ様でした!相変わらずの素敵な神とグラファイトにやられます。いつも楽しみで仕方ないです!大好きです!爆 又楽しみにしてます! (2018年6月12日 20時) (レス) id: 91fefba221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おおさきまいこ | 作成日時:2018年5月17日 17時