6.君を知りたい ページ6
黎斗は社長室の電気を消して窓際に歩いた。
黎斗「ここからの眺め、綺麗だろう?」
黎斗に促され、2人で窓際に並んで夜景を見た。
遠くまでビルの灯りが灯り確かに綺麗だった。
黎斗「もう私の秘書として働いて5年だな。この幻夢コーポレーションでクロニクルの計画を知っているのは私と君の2人だけだ。」
A「ええ。」
黎斗「私の表の顔も裏の顔も全て知っているのは君だけなのに、、、」
A「?」
黎斗「私は君の事を何も知らない。父の時から社長秘書としてこの会社にいるのに、君は仲のいい同僚もいないな。」
A「社長秘書として極秘の内容も管理しますので、社内に親しい人間を作るのは秘書として不適切だと先代社長の教えです」
黎斗「確かにそうだな。でも、私は君の事を知りたいし、知る権利がある」
A「知る権利ですか?」
黎斗「私の人生を掛けた計画を君は全て知っている。そして君は最大の協力者だ。私は誰よりも君を信頼している。」
そう、、それは正宗の計画通り。
自分を信頼している黎斗を利用するだけ利用して。最終的には裏切る計画なのだ。
だが、心は痛まない。
私は良心など最初から無いバグスターなのだから。
Aの方に顔を向けた黎斗がそっとAの手を握る。真剣な眼差しは暗い部屋の中でキラキラと輝いて、素直に綺麗な瞳だと思った。
でも、心を持たないバグスターのAはそれに心拍数が変化する事もない。
黎斗「私は君のプライベートを何も知らない。どんな大学を出て、どこに住んでいて、何が好きで、休みの日は何をしているのか。」
A「社長がゲーム以外に興味がお有りとは知りませんでした」
さらりと答えるAに黎斗がクスリと笑う。
黎斗「嘘をつくな。私の気持ちを知っているくせに。」
もちろん知っている。
でも、正宗の計画を遂行する為に信用はさせたかったが、黎斗にそんな気持ちを持って欲しいと思った事など一度もない。
Aは黎斗が自分に好意を持っている事が迷惑でしかなかった。
そんな恋愛感情がもし縺れてしまい、今の黎斗と自分の信頼関係が壊れてしまえば計画が台無しになる。それを一番危惧していた。
人間はなんと面倒な生き物なのだろう。
黎斗の様に自己陶酔する程の才能に恵まれた人間でも、恋だの愛だのと言う感情で満たされたいと思うとは、、、。
Aはそう思いながら黎斗を見上げた。
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大崎舞子(プロフ) - kojiさん» 最後までお読みいただきありがとうございます!大好きだなんて、、うれしいです!!大人セクシー路線の黎斗とグラファイト、お楽しみいただけて良かったです! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - Hyuiさん» 皆さんにご理解頂けるか謎過ぎたグラファイトとの関係ですが、ホッとしました! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - moon791さん» いつもコメントありがとうございます!とても励みになりました^_^書けば書くほどグラファイトを好きになって大変でした爆 またどうぞよろしくお願いします! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - 双羅さん» 最後までお読みいただきありがとうございました!こんな夢主ちゃんを受け入れてもらえるかちょっと不安だったのですが、ありがとうございます!貴利矢も大好きなので頑張ってみます! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
koji(プロフ) - お疲れ様でした!相変わらずの素敵な神とグラファイトにやられます。いつも楽しみで仕方ないです!大好きです!爆 又楽しみにしてます! (2018年6月12日 20時) (レス) id: 91fefba221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おおさきまいこ | 作成日時:2018年5月17日 17時