41.定義できない ページ41
「グラファイト、何を言ってるの?」
彼の腕の中で顔を上げてグラファイトを見上げると、その顔は微笑んでいた。
嘲笑うか鼻で笑う様な顔しか見た事は無かった。でも今のグラファイトは穏やかに優しく微笑んでいた。
「恐れる必要はない。ゲンムを愛しているならそれに素直に従えばいい。クロノスなど俺が倒してやる」
「私を好きなのに、ゲンムを好きでいろって言うの?」
「ああ。お前を愛している。だからお前が心のままに道を選ぶ事を望んでいる」
グラファイトの目は真っ直ぐだ。見つめられるといつもと同じ深い光に吸い込まれそうになる。
Aはいつもその光から目を逸らしてきた。本心を見透かされてしまうのが怖かったから。
でも今は違う。
グラファイトの瞳に吸い込まれ、目を閉じて深い光に包まれてしまいたかった。
強引で、嘲笑うようなグラファイトの態度も、本当は彼なりの優しさだったのだろう。
「やっぱりおかしな人ね、グラファイト」
Aは微笑んでグラファイトを見上げた。
彼に感謝や喜びで微笑んだのは初めてだ。またその目から涙が流れるけれど、その涙は悲しみや苦しみの涙ではない。
恋でもない。
愛でもない。
そんな簡単な定義に当てはまる事のない愛しい気持ちがグラファイトに湧いてくる。
だけどやっぱり心は見ることも触れる事も出来なくて、愛しさと感謝の混じり合った計り知れないこの気持ちを伝えるには、、、身体に触れる事しか思いつかなくて
もう一度、グラファイトの首に腕を回してそっと唇を重ねた。
優しくそっと触れた唇から自分の気持ちが彼に伝わる事を願って。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
正宗「A、西馬ニコを消滅させる」
社長室でピアノを弾きながら正宗はAに淡々と言った。
正宗「この前の様な事をして私を失望させるな。西馬ニコはゲームクリアに一番近いライドプレイヤーだ。そして仮面ライダー達の大切な仲間。彼女を消滅させる事は多いに価値がある。わかるね?」
A「はい」
正宗「では、君の忠誠心をきちんと示してもらおう。私と共に来い」
不快なCマイナーの和音を思い切り押して正宗は立ち上がった。
ニコはICUから一般病棟に移ってはいたが聖大病院にまだ入院中だ。Aが正宗と共にニコの個室へ行くと大我とポッピーが部屋にいた。
正宗「西馬ニコ、君にはゲームオーバーになってもらいたい」
78人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
大崎舞子(プロフ) - kojiさん» 最後までお読みいただきありがとうございます!大好きだなんて、、うれしいです!!大人セクシー路線の黎斗とグラファイト、お楽しみいただけて良かったです! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - Hyuiさん» 皆さんにご理解頂けるか謎過ぎたグラファイトとの関係ですが、ホッとしました! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - moon791さん» いつもコメントありがとうございます!とても励みになりました^_^書けば書くほどグラファイトを好きになって大変でした爆 またどうぞよろしくお願いします! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - 双羅さん» 最後までお読みいただきありがとうございました!こんな夢主ちゃんを受け入れてもらえるかちょっと不安だったのですが、ありがとうございます!貴利矢も大好きなので頑張ってみます! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
koji(プロフ) - お疲れ様でした!相変わらずの素敵な神とグラファイトにやられます。いつも楽しみで仕方ないです!大好きです!爆 又楽しみにしてます! (2018年6月12日 20時) (レス) id: 91fefba221 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おおさきまいこ | 作成日時:2018年5月17日 17時