30.何を裏切る? ページ30
強引に抱き寄せてみた時のAの顔。
初めて見せる少し戸惑いの顔。
その大きな瞳を揺らして自分を見上げるAを可愛いと思った。
堪らなく欲しいと思った。
そして自分の前でそのポーカーフェイスが少しずつ色々な顔を見せるようになった。
Aがやっと自分に心を開いたんだと思った。
抱きしめて口付ければ頬を染め、愛を囁けばはにかんだ様に微笑むAを思い出した。
黎斗「あれは全て嘘だったか。」
黎斗はクロニクルを作るために利用された事よりも、Aを愛してしまっていた自分自身に怒りがわき上がり、ディスプレイに映る自分の顔を睨みつけた。
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グラファイト「ゲンムが復活したそうだな」
Aのゲームエリアにグラファイトが現れた。
Aはベッドの上でうなだれたまま、グラファイトを無視した。
グラファイト「奴にお前が裏切り者だとバレて胸が痛んだか?」
A「、、、別に。」
顔を上げずに呟いたAにグラファイトはベッドまで来ると横に腰かけた。
グラファイト「お前は何を恐れている?」
A「?」
グラファイト「そんなに自分の本心をさらけ出すのが怖いのか?」
A「何を言いたのかわからないわ」
グラファイト「お前はゲンムを愛している。」
A「違うって言ってるでしょう!」
グラファイト「何故隠す必要がある?お前がクロノスとグルだからか?ゲンムを愛するのはクロノスを裏切る事になるからか?」
Aはまた心の中を見透かされて苛立ちを覚えた。グラファイトはいつもの様に口の端で笑いながら自分を鼻で笑っているのだとそう思って顔を上げた。
でもグラファイトは笑ってはいなかった。
初めて見る真剣な顔。
その瞳はいつもと同じ、どこまでも深い光りを湛えて真っ直ぐにAを見ていた。
グラファイト「ゲンムに心まで裏切っていた訳では無いと言えばいい」
A「何が言いたいの?」
グラファイト「それ程お前が苦しむのなら、自分の心を裏切るのではなく、クロノスを裏切ればいい。」
グラファイトはそっとAを抱き寄せて額に口付けた。
Aにはグラファイトの真意がわからない。
A「貴方は何がしたいの?」
思わずその深い龍の瞳を覗き込んでしまった
グラファイト「俺は素直なお前が見たいだけだ」
そう言っていつもの様にグラファイトが熱く身体を重ねた。
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大崎舞子(プロフ) - kojiさん» 最後までお読みいただきありがとうございます!大好きだなんて、、うれしいです!!大人セクシー路線の黎斗とグラファイト、お楽しみいただけて良かったです! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - Hyuiさん» 皆さんにご理解頂けるか謎過ぎたグラファイトとの関係ですが、ホッとしました! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - moon791さん» いつもコメントありがとうございます!とても励みになりました^_^書けば書くほどグラファイトを好きになって大変でした爆 またどうぞよろしくお願いします! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - 双羅さん» 最後までお読みいただきありがとうございました!こんな夢主ちゃんを受け入れてもらえるかちょっと不安だったのですが、ありがとうございます!貴利矢も大好きなので頑張ってみます! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
koji(プロフ) - お疲れ様でした!相変わらずの素敵な神とグラファイトにやられます。いつも楽しみで仕方ないです!大好きです!爆 又楽しみにしてます! (2018年6月12日 20時) (レス) id: 91fefba221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おおさきまいこ | 作成日時:2018年5月17日 17時