3.宿主の記憶と ページ3
黎斗の予定通りマイティアクションXの完成発表会はバグスター出現で途中からパニックとなり、エグゼイドの戦闘データを入手することが出来た。
Aが社長室でエグゼイドのデータを解析し黎斗の帰りを待っていると、ノックもせずにいきなり男が入って来た。
長身に白髪の混じった不機嫌な顔。
A「花家先生、急にどうされました?」
大我「おい!社長はどこ行った!」
物凄い勢いでAの前まで来ると大きな音がなる程デスクを両手で叩いてAに詰め寄った。
A「社長は外出中です。アポは取られてましたか?」
大我「あの仮面ライダーはなんだ!」
A「それは極秘事項ですので花家先生にもお教え出来ません」
大我「俺以外の適合者を作ったのか?!」
A「社長が戻りましたらご連絡致しますので、、、」
大我「今すぐアイツに連絡を取れ!」
A「念の為ご連絡先を伺ってもよろしいでしょうか」
大我「今電話しろ!!」
Aはふぅとため息をついた。
花家大我との付き合いももう長い。
5年前、グラファイトに負け医師免許を剥奪されてから、笑顔が消えた。黎斗の計画のため悲劇のヒーローになってしまった彼を見ても、バグスターの自分には罪悪感もない。
しかし、大我の強引さには閉口する。Aは仕方なく黎斗に電話をするフリをしようと席を立ち、受話器に手を伸ばした。
こんな事は初めてだった。
真っ直ぐ立っているはずの身体がグラリと傾き、それに遅れて視界も傾く。受話器に伸ばしたはずの手が空をかき、掴むものを失ってAの身体はぐにゃりと床に倒れこんだ。
A『これが目眩なんだ、、、』
倒れたAを見て驚いた大我に抱えられ抱き起こされる。視界は真っ暗になるのに意識ははっきりとしていた。だが身体に力が入らない。
大我「おい!大丈夫か!」
脱力したままのAは大我に身を預けたままその声を聞いていた。頷いて答えたつもりだが、身体が動いたかどうかはAには分からなかった。
ただ、自分の背中や肩に触れる大我の温もりがあまりに心地よくて、薄れそうな意識の隅で理性が混乱していた。
体を抱き抱えられる心地良い感触は、あの宿主の記憶データの感触を呼び起こしてハウリングしてAはそっと目を開けた。
そして目の前にあった大我の瞳を見上げたAの思考回路はもっと混乱を起こした。
宿主の記憶と同じ瞳が真っ直ぐに自分を見ていたのだった。
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大崎舞子(プロフ) - kojiさん» 最後までお読みいただきありがとうございます!大好きだなんて、、うれしいです!!大人セクシー路線の黎斗とグラファイト、お楽しみいただけて良かったです! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - Hyuiさん» 皆さんにご理解頂けるか謎過ぎたグラファイトとの関係ですが、ホッとしました! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - moon791さん» いつもコメントありがとうございます!とても励みになりました^_^書けば書くほどグラファイトを好きになって大変でした爆 またどうぞよろしくお願いします! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - 双羅さん» 最後までお読みいただきありがとうございました!こんな夢主ちゃんを受け入れてもらえるかちょっと不安だったのですが、ありがとうございます!貴利矢も大好きなので頑張ってみます! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
koji(プロフ) - お疲れ様でした!相変わらずの素敵な神とグラファイトにやられます。いつも楽しみで仕方ないです!大好きです!爆 又楽しみにしてます! (2018年6月12日 20時) (レス) id: 91fefba221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おおさきまいこ | 作成日時:2018年5月17日 17時