17.ゼロデイより前に ページ17
A「鏡先生にも用があったのですが、しばらく戻られないですか?」
大我「さぁな。」
不機嫌そうに自分を睨みながら大我もCRを出て行った。
ポッピー「最近グラファイトが出て来てから飛彩と大我は益々仲が悪くなっちゃって、、」
A「グラファイトが出て来てから?」
永夢「飛彩さんは婚約者を助けられなかった大我さんを許せないままみたいなんです。大我さんは大我さんでグラファイトを倒したくて凄く苛々してて。」
A「あの2人のお気持ちはよくわかります」
適当にポッピーと永夢と話してCRを出た。
あの2人の気持ちは面白いくらいよく分かる。
全部計画通りなのだから。
だけどもう5年も前の話だ。いつまでもそれを引きずっている2人の男を愚かだとAは思う。
A「花家先生」
でも確かめてみたかった。
以前の自分ならこんな事はしなかったけれど。
屋上で眼下を睨みながら風に吹かれる大我に声を掛けた。めんどうくさそうな顔をして振り返る大我にゆっくりと歩み寄る。
大我「俺に何の用だ?」
A「鏡先生の中では5年前の事、終わっていないのですね」
大我「そりゃそうだろ。俺の事を許せなくて当然だ」
A「花家先生に、、、花家先生には恋人はいらっしゃらないのですか?」
唐突過ぎる質問に大我の目が一瞬驚いてAを見た。自分でもおかしな事を言っているとよくわかってる。
大我「何で俺にそんな事を聞くんだ」
A「花家先生が必死でバグスターを根絶しようとするのも、もしかしたら鏡先生と同じ理由なのかと思っただけです」
大我「違うな。俺はグラファイトに5年前の借りを返したいだけだ」
そうだとはわかってる。大我のわかりきっていた当たり前の答えに、今更ながら自分のした質問が恥ずかしくなったその時。
大我「恋人が消えちまった辛さは俺もよくわかるんだ」
A「え、、、?」
また大我は眼下を見下ろし、その横顔が見たことの無い憂いを帯びたものに変わった。
大我「ゼロデイよりも一年も前だからゲーム病とは関係ないが、俺の恋人もある日突然消えちまった。」
A「ゼロデイより前に、、」
大我「ああ。この病院で一緒に働いてたドクターだった。事件なのな事故なのか自分で失踪したのか今でもわからねぇ。だけど残された俺は本当に辛かった。だからあのお坊っちゃんの気持ち、少しはわかる。」
それは私だ。
花家大我の恋人を消滅させたのは。
78人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
大崎舞子(プロフ) - kojiさん» 最後までお読みいただきありがとうございます!大好きだなんて、、うれしいです!!大人セクシー路線の黎斗とグラファイト、お楽しみいただけて良かったです! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - Hyuiさん» 皆さんにご理解頂けるか謎過ぎたグラファイトとの関係ですが、ホッとしました! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - moon791さん» いつもコメントありがとうございます!とても励みになりました^_^書けば書くほどグラファイトを好きになって大変でした爆 またどうぞよろしくお願いします! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - 双羅さん» 最後までお読みいただきありがとうございました!こんな夢主ちゃんを受け入れてもらえるかちょっと不安だったのですが、ありがとうございます!貴利矢も大好きなので頑張ってみます! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
koji(プロフ) - お疲れ様でした!相変わらずの素敵な神とグラファイトにやられます。いつも楽しみで仕方ないです!大好きです!爆 又楽しみにしてます! (2018年6月12日 20時) (レス) id: 91fefba221 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おおさきまいこ | 作成日時:2018年5月17日 17時