1.I’m a バグスター ページ1
時々、ふと思い出すことがある。
暖かくて広い胸に抱かれて優しく頭を撫でられる。
心の奥に淡い思いが膨らんで、私を慈しんでくれるその人の顔を見たくて顔を上げるのに
優しい眼差しがぼんやりと見えるだけで、顔が分からない。
これがバグスターとして感染していた宿主の記憶だとは分かっている。
でも、、、なんて幸せな記憶だろう。
『だけど、その幸せも私が消したのね、、、』
Aはふぅとため息をついて、らしくない思考と感情を払拭する様にヒールを鳴らして幻夢コーポレーションの廊下を歩き、社長室のドアを開けた。
A「社長、おはようございます」
黎斗「おはよう、Aくん」
偽善者にお似合いの美しい笑顔の黎斗にコーヒーと資料を渡しながら今日のスケジュールを無表情のまま機械的に読み上げる。
今はAは黎斗の秘書だ。
今は、と言うのは、かつては檀正宗の秘書だったから。
ゼロデイが起こり、、、いや黎斗によって引き起こされ正宗が逮捕された際、大混乱となった幻夢コーポレーションで黎斗を支え、それを気に入った黎斗にそのまま社長秘書として留まる様に言われた。
A「、、、午前の会議の後は会場へ移動。マイティアクションXの完成発表会へ出席された後は、広報部でマイティアクションXの、、」
黎斗「ちょっと待て。」
A「はい、社長」
黎斗「完成発表会の後の予定、私に読み上げる必要が無い事は君もわかっているはずだろう?」
A「しかし、、」
黎斗「構わないさ。会場で多くの人間がゲーム病患者から発症したバグスターに恐れおののき逃げ惑う姿と、、、宝生永夢の力を見てみようじゃないか」
この男は狂ってる。
持て余した才能と余りある危険な思考。
自分の作ったゲームの完成発表なんかよりも、仮面ライダーエグゼイドの実力を見たいなんて。
黎斗「Aくん、バグスターを見るのは初めてだろう?危ないから会場では私から離れるな」
A「分かりました」
黎斗「大事な君を危険に晒したくはないからね」
美しい顔に狂気を隠してにっこりと黎斗がAに微笑む。
自己陶酔して危険な予感に期待して緩むその顔。
嫌いじゃない。
でも社長、あなたは知らない。
あなたの父親はもっとしたたかで危険な事を。
私が今でも檀正宗の秘書である事を。
そして私がバグスターである事を。
黎斗「私の計画は全て順調だ。君に関して以外はね」
A「え?」
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大崎舞子(プロフ) - kojiさん» 最後までお読みいただきありがとうございます!大好きだなんて、、うれしいです!!大人セクシー路線の黎斗とグラファイト、お楽しみいただけて良かったです! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - Hyuiさん» 皆さんにご理解頂けるか謎過ぎたグラファイトとの関係ですが、ホッとしました! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - moon791さん» いつもコメントありがとうございます!とても励みになりました^_^書けば書くほどグラファイトを好きになって大変でした爆 またどうぞよろしくお願いします! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - 双羅さん» 最後までお読みいただきありがとうございました!こんな夢主ちゃんを受け入れてもらえるかちょっと不安だったのですが、ありがとうございます!貴利矢も大好きなので頑張ってみます! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
koji(プロフ) - お疲れ様でした!相変わらずの素敵な神とグラファイトにやられます。いつも楽しみで仕方ないです!大好きです!爆 又楽しみにしてます! (2018年6月12日 20時) (レス) id: 91fefba221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おおさきまいこ | 作成日時:2018年5月17日 17時