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バスに乗り込んでからも繋いだ手が離れることはなかった。周りから聞こえてくる寝息が徐々に睡魔を誘い、夢の入り口が訪れるまで窓の外を流れていく景色をぼんやりと見つめる。
揺れ動くバスが赤信号で停止したとき、私の頭にコツンと飛雄の負荷がかかる。てっきり爆睡しているものかと思っていたけど未だに寝ていなかったらしい。ぐりぐりと漆黒な猫っ毛を擦りつけてくるのを見る限り、どうやら甘えモードになっているようだ。
「疲れているときほどくっつきたくなる」と以前に漏らしていたことがあったが、まさに今がそれ。立て続けにあんなに戦ったのだから無理もない。素直に甘えてくるその姿がたまらなく可愛くて、愛おしくて。寄りかかる温もりを受け入れるように丸い頭を撫でてみると思いもよらない台詞が飛んできた。
「好きだ」
『え』
「Aも言え」
『なに、』
「好きって言え」
突として頭上から降ってきたお強請りに、頭を撫でていた私の手はピタリとその動きを止める。”疲労とはこんなにも恐ろしいものか”と緩んでしまう口元を引き締めて実感していた。
＿＿＿どうしよう、飛雄がめちゃくちゃに可愛い。
なんなのそれ、あざとすぎない？いや天然か。
彼がいまどんな顔をしているか見えないけど、きっと拗ねたように唇を尖らせているのだろう。表情筋が完全に崩壊した私は湧き上がる感情が抑えきれずに、寄り掛かる丸い頭部を無造作に撫で回す。「おい、やめろ」なんて言いながらも決して離れない飛雄に、出来る限りの穏やかな声色で愛の台詞を返してやる。
『好きだよ』
「・・・もう一回」
『大好き』
「足りねぇ」
『えー、欲張りだなぁ。どうしたの急に』
「・・・いいから早く言え」
『あとでね』
こんな甘い会話が、周りの人達に聞かれていないだろうかと遅れて羞恥がやってくる。あまりにも気持ちが盛り上がりすぎて抜けていたが、ここは部員達がいるバスの中だった。
”お預け”を食らった飛雄が不満そうに文句を言っているが、これ以上続けたら本当に醜態を晒してしまいそうで上手い具合に流しておくことにした。
分かりやすいくらいに甘えてくるその姿が可愛くて、なんでも言うことを訊いてあげたくなってしまう私はやっぱり飛雄に甘すぎると思う。
小さく笑み落ちる私にかかっていた負荷が消え失せ、疑問に持ち上げた視線の先には至近距離の蒼い瞳。
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惠音(プロフ) - 名無しさん» キュンですね〜！素敵なシチュありがとうございます！勉強会の話が終わったら、ちょいちょい物語動かしていこうかな〜と思っています！永山さんも登場する予定なので楽しんでもらえたら光栄です....！ (2月12日 19時) (
レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 欲望が抑えられないです (2月11日 23時) (レス) id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - ほのぼの会やちょい甘な会もいいけど、最近出てこなくなった永山さんが影山にアクションかけて夢主ちゃんが不安になってちょっと永山さんと取り合い的なのしてそれでも夢主ちゃん以外に興味ない影山にカウンターくらって影山と夢主ちゃんの激甘な会が見てみたい (2月11日 23時) (レス) @page44 id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - Lunaさん» 大好きだなんて嬉し過ぎます....！性癖に刺さる影山くんになれていて良かったー！少しでも日々の癒しになれたら嬉しいです！ (2月5日 7時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - 惠音さん» わぁー！お返事ありがとうございます！ほんと無限大です！！惠音さんのお話大好きです！！ (2月4日 23時) (レス) id: ae56522889 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惠音
| 作成日時：2023年12月9日 20時
