6人目の天才 (ページ22)

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全ての話を聞いた日和は、その重い口を開く。

日和｢話はわかったけど、
この僕をその他大勢の代表と一緒に据えようとは。
相変わらず失礼にも程があるねぇ、英智くん。
彼女を、柁原叶恵を越えることは不可能ではないかい?｣

つむぎ｢英智くん、そのぉ、｣

日和｢そもそも出しゃばりすぎだと思うねぇ。
fineのリーダーはつむぎくんでしょう?｣

つむぎはそれを軽く否定する。

あくまで形式上。中間管理職のようなものだという。

巴日和くん、と、英智は再び口を開く。

英智｢巴日和くん、乱凪砂くん。
君たちはfineの二枚看板に、切り札になり得る。
そしてその切り札さえ僕が使いこなせれば、
叶恵をもこえる実力を簡単に得ることができる｣

日和｢はぁ?｣

英智｢だからこそこうやって腹を割って話し、
僕の汚いところも醜いところも全て曝(さら)け出した。
それを知った上できみたち自身の夢や理想の為に、
僕が、fineが必要だと思うならば、
どうか、この手をとってほしい。強制はしないよ｣

英智のその言葉に、日和はため息をつきながら立ち上がる。

そして、笑い飛ばすわけにはいかない、と、その手を取る。

変革のためには自分でやった方が早い。そう言ったのだ。

日和｢凪砂くんも、それでいい?｣

凪砂｢正直あまり話について行けてないけど、
わたしは日和くんに生かされた。
だから、日和くんのために生きる、生きます。
日和くん、君はわたしに太陽｣

日和｢ううん、君の人生なんだし、
君のために生きてほしいんだけどね｣

夏の訪れとともに、ドリフェス(新たな)制度が学園を侵食し始めた。