序章 ページ1
「……という訳なんだ」
「あのねぇ……うちの科はそっちと違って生徒会はそれほど権力を持ってないの！できれば教師陣に話を通してほしいっていつも言ってるでしょ！？」
「もちろん教師陣には話してあるよ？」
「ほんと抜かりないわ……」
呆れたような困ったような。でもどこか嬉しそうな顔で姉——Aはため息をついた。
僕たちは二人とも、同じ学院の別の学科で生徒会長をしている。
僕はアイドル科、姉は普通科。
正直、姉は普通科なんかに収まらずとも“音楽科”からの推薦もあったのだけど……
って、これはあまり重要な話ではなかったね。
僕が『皇帝』と恐れ、敬われているのに対し、姉はフレンドリーで親しみやすい生徒会長らしい。
——だから、この企画を持ち込んだんだ。
僕の手元にある紙の束を一瞥する。
一番上の紙に書かれている文字……【夢ノ咲学院普通科吹奏楽部 定期演奏会について】という、シンプルな文字列は、僕たちアイドル科にとって必要不可欠な彼女が持ち込んだ企画書だった。
･･･
コンコン。
控えめなノックの音が生徒会室に響いた。
「どうぞ」
緊張した面持ちで入ってきたのは、唯一のプロデューサー、あんずちゃん。
手には企画書らしきものがあった——おそらく、頼んでいた新しい企画の持ち込みだね。
「失礼します……あの、この前仰っていた“卒業前特別イベント”のことで……」
「あぁ……ありがとう、考えてきてくれたんだね」
「はい、それで、えっと……これが企画書です」
相変わらず、緊張かそういう性格なのか口下手な彼女から受け取った企画書の表紙には、【夢ノ咲学院普通科吹奏楽部 定期演奏会について】と書かれていた。
一見、僕たちアイドル科とは無関係に思えるタイトルだけど……
ページを一枚捲ると、企画の詳細が細かく記されていた。
中でも目を引いたのは、
『合同卒業イベント』
の文字。
そこでふと僕の頭に浮かんだのは、双子の姉の姿。
——ふふ、面白くなりそうだね。
「ふぅん……面白そうだね、やっぱり君の企画はいいものばかりだ。僕から普通科に取り合ってみるよ」
「えっ……いいんですか？」
「もちろん、もし決定したらその時はよろしく頼むよ……プロデューサーちゃん」
･･･
この企画を受理した理由として大きかったのは、やはり僕の双子の姉の存在だろう。
彼女は普通科生徒会長兼“吹奏楽部部長”という立場だったからね。
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ホッチキス(プロフ) - ゆゆゆさん» 本当にラッキー(^_−)−☆ですね！これからも応援しています！ (2022年5月25日 21時) (
レス) id: b36c03acb0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ - ホッチキスさん» ありがとうございます、最高とかめちゃくちゃ嬉しいです…！全然アイドル出てこなかったのに推しが出ていたとはなんとラッキー！！(？)私もニヤニヤが止まりません。こちらにもコメントして下さりありがとうございました！！！ (2022年5月24日 18時) (レス) id: 6c5dc33c86 (このIDを非表示/違反報告)
ホッチキス(プロフ) - 双子設定最高でした！すごく面白かったです！私の推しの渉も出番をいただいて、、、ニヤニヤがとまらないっす！ (2022年5月24日 18時) (レス) @page15 id: b36c03acb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：箸レーゼ | 作成日時：2022年5月4日 18時
