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夜明け前/2 ページ37

「……はぁ?」

ニナが形の良い眉を吊り上げた。綺麗な人に何言ってんだコイツ、みたいな顔で見られると自分が間違ってるのかなって気になるけど、こればっかりは間違いじゃないって自信がある。ただ、どう伝えればいいのか分からないけれど。

でも、ここには支えてくれるknightsの皆はいない。だからといって、私は一人じゃないんだ。皆はステージ上で頑張ってる。隣には仁兎先輩もいる。私をここまで助けてくれた皆の為にも、ここで引くわけにはいかない!


「確かに私は、皆に酷いことをされたこともあったけど……でも皆は、私が嫌いだからってライブを疎かにしたり、台無しにしようとはしなかったよ。私を直接傷つけようとしたのはニナじゃなかったけど、皆を傷つけたのはニナなんだよ」

心は痛むけど、はっきり言わなくちゃいけない。これでニナが改心してくれたら、わかってくれたら私はそれでいいんだ。

「皆ニナを信頼してたよ。それなのにニナは、皆を利用したんだよ。私のことが嫌いなら、傷つけるのは私だけでいいのに」

あれ、なんか声が震えてきた。自分がいま何を言っているかもわからない、もしかしてとんでもなく見当違いなこと言ってたりしない?
いきなり不安になってきたけど、逃げたらいけない。ぎゅっと手を握りしめると、薄く汗ばんでいた。


「……偽善者」


ニナから返ってきたのは、その言葉だった。私が固まった瞬間、隣にいた仁兎先輩が声をあげる。「それは酷いだろっ、Aはそんな子じゃない!」珍しく噛まずに否定した彼に、ニナが返したのは微笑だった。

「そんな子じゃない?じゃあ貴方は初めからこの子のことを信じてあげられてたの?」

「……っ」

言葉に詰まった仁兎先輩を一瞥してから、今度はニナは私を見る。会長は何しているんだろ、と視線を後ろにやると、彼は無表情で事の成り行きを見守っていた。どうやら、彼は手出しをしないことにしたらしい。

「偽善者。傷つけられるのは私だけでいい、なんていい子ぶるじゃない。本当はそんなこと思ってもないくせに」

「そんなの……傷つけられるのは嫌だけど、皆が傷つけられるよりはずっとマシだよ!!」

ムキになって言い返すと、ニナが一瞬怯んだ。そして忌々しげに何か言おうと口を開いて__。




____そこまでだよ。




そこで、その場にいた誰のものでもない凛とした声が響いた。

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べベンべエエェェ - また戻ってきました!この作品がお気に入りになってどの小説の設定も星川、というのを使わせて読ませてもらってます!ありがとうございます! (2022年6月9日 23時) (レス) @page29 id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
ベベンべエエェェ - またニナが足を洗って帰って来てほしいかなと思います。続編が出来たらとっっっっぅても嬉しいです (2021年8月4日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
CloveR(プロフ) - 面白すぎて2日で読み終わりました……。(続き気になりすぎて2日とも5:00くらいまで寝れなかった)寝る前に読んだの後悔するくらいおもしろかったです…! (2021年7月29日 3時) (レス) id: f7412586d4 (このIDを非表示/違反報告)
髪様 - ゆうさんと同意見です,完璧ですわあ、、、、 (2020年5月8日 11時) (レス) id: a311e75dfe (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - なんだろう、なんて言えばいいかわかんないんですけど...完璧な小説でした (2020年4月25日 18時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まめだいふくもち | 作者ホームページ:http://ない  
作成日時:2017年7月8日 20時

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