HERO/1 ページ43
＿＿＿私は、必死に逃げていた。
昼休み、お弁当を食べてすぐ、ライブについて電話しようと誰もいないところを探していたら、知らない男子たちに話しかけられたのがきっかけだ。
『話があるから、ちょっとついてこい』
そう言った先頭の男子は、ニヤニヤと堪えきれないような笑みを浮かべていて。嫌な予感がして、そのまま回れ右して全力ダッシュだぜー☆したら、その集団に追いかけられ始めたなう。現在進行形ね。
追いかけられるのはこの前の大神先輩でこりごりなのに、何なんだこの人たちは。私が何をしたと……ああ、ニナ絡みか！
となると、例のファンクラブの方々だな。なら、尚更捕まったらどうなるかわからない。なるほど、司くんの忠告はこれだったんだね。……もっと分かりやすく伝えてほしかったよ！？あいつ私の扱い雑じゃない！？
ふと振り向いたら、肩を掴まれそうになっていた。慌てて体を反らして避けて、曲がり角を曲がる。
……しまった、逃げるんじゃなかったかも。逃げつづけたって、ずっと追いかけてくるなら無駄になる。ならさっさと降参して、言う通りにしたほうが……いや、そっちのがダメだ！何されるか分かんない！
一旦、この人たちを撒こう。それから、後のことを考えよう。大丈夫よ、A。撒くのは副会長に追いかけられてたときに慣れたでしょ。はすみん先輩、「逃げ足の天才」って鬼のような顔して褒めてたでしょ。
「大人しくしねえと、酷い目に合うぞ！」
後ろから太い声が飛んでくる。いや、大人しくしても酷い目に遭うんでしょ！？知ってるからね！？
汗を拭って、前を見据える。そうだ、中庭に出たら草むらに隠れられるかも……！
そう思った私は、無理やり進路を変更する。が、それが仇となった。中庭に出た瞬間、ぐりんと足を捻り、顔から地面に叩きつけられる。
バタバタと走ってきた足音が、私を囲んで止まった。＿＿＿終わった。
「よし、大人しくしてろよ」
「ニナ様を傷つけた罰だ」
誰もいないのを確認すると、彼らは楽しそうに棒を取り出した。あ、あれ知ってる！よくゲームで見る「鉄パイプのような何か」だ！……って、えっ？
「ちょ、待っ」
私の言葉になんの聞く耳も持たず、一人がそれを振り上げる。慌てて手で頭を覆ったけど、これじゃあなんの解決にもならない。
来たる衝撃に備えて、目を閉じる。けれど、いつまでたっても痛みは襲ってこなかった。
「＿＿＿そこまでだ」
代わりに聞こえたのは、凛とした一声だった。
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とくくくめい - もう、ほんと、この小説の司くんが、まじ愛おしいほど大好きです！！！！！！！この小説に出会えた事が本当幸せです！すごく面白いですハラハラさせられます！！！ (2017年8月19日 17時) (
レス) id: d661f7493a (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - みかん☆さん» いえいえ、コメントありがとうございます！なるほど……そういう発想もありましたか…！！しかし花みたいに綺麗な噂ではないところが欠点です笑 応援ありがとうございました！ (2016年9月22日 18時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
みかん☆ - 鬼龍さん！！火のないところに煙はたたぬとも言いますけど根がなくとも花は咲くとも言いますよ！！(これが言いたかっただけ) 最新のところにコメントじゃなくてすみませんが、更新頑張ってください！応援してます！ (2016年9月22日 15時) (レス) id: 2b73766c3c (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - 月永 巡さん» ギャアアアアこちらにもコメントいただいてたんですね…！今気づきましたありがとうございます！！knightsとのじゃれあいは書いてて楽しいです、嬉しいコメント本当に本当にありがとうございます！ (2016年8月29日 16時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
月永 巡(プロフ) - すっっごい好きですこのお話!!!! もっと早く出会いたかったっ...! もうKnightsとの関わりが楽しすぎです(；∀； )!! 大事に読ませていただきますっ(｀；ω；´) (2016年8月25日 21時) (レス) id: f2838a14db (このIDを非表示/違反報告)
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