【あんスタ】進軍する騎士と爛漫の姫君(1)

会議/4 ページ7

「待って、待って。今なんて？」

瀬名先輩がぽかんとして聞き返してくる。顔、アイドルっぽくないですよ！とかいったらキレられるからやめとこう。

「だから、ドキッ☆ニナちゃん逆ハーレムーー「そういうことじゃなくて。その逆ハーレムって何なわけ？」

「それは今から説明します！もう、セッちゃん先輩ったらせっかちさん♡」

「蹴るよ」

「マジさーせん」

「全く反省しておりませんね」

私たちの会話を聞きながらいつも通りねェ、と笑う鳴上先輩。と、その後ろで、ようやく凛月先輩が体を起こした。

「ふぁあ、ふ……。おあよ〜、A。そういえば、話って何？手短にしてくれると嬉しいんだけど」

「ナイスタイミングです、リッツ先輩！あ、今のナイスタイミングの発音司くんに似てなかった！？」

「nice timing。……ふっ」

「なにその「まだまだだな」みたいな笑い！？むかつく！！アッ、ごめんなさい説明します！リッツ先輩、ちょうど今から話すからちゃんと起きててね」

「はぁい、善処はする……♪」

とかいいながらはやくもウトウトし始めた凛月先輩にこいつマジかよ……みたいな視線を送りながら、私は説明を開始した。いや、引っ張りすぎだ、とか言われそうだし。

「皆さんには、私に全面的に協力してもらいます」

「協力は、するけど。具体的には？」

「簡単にいうと、そうですね……。ニナちゃんを落としてください！」

「はい？」

「だーかーら！皆がニナちゃんをちやほやするの！私のことはもう見切りつけましたよー、ニナについていくよー、みたいな感じで！」

「なあに、それ……？メリットは何なの？」

「そうです。私、気づいたんです。皆が私を信じてくれて、守ってくれたとしたら。私を陥し入れるのは不可能とみなして、ニナちゃんの悪意があんず先輩に及ぶかもしれないじゃないですか？だって、あんず先輩こそモテるし、かわいいし！」

皆はあっけにとられている。私は続けた。

「そんなの、言語道断！なら、私が陥し入れられてるフリをして、皆がニナちゃんをちやほやして満足させる。そしたらあんず先輩に被害はないし、あとめっちゃ楽しそう！！」

「……完全に最後のが本音よね」

「Aさんて、本当にお姉さまのこと大好きですよね」

「完全に自分への被害考えてないよねぇ……」

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