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会議/2 ページ5

真っ暗に照明を落としたスタジオ。簡易舞台にあるスポットライトが一つ、パッと少女を照らした。

「レディースアンド、ジェントルメン。ようこそお集まりいただきました」

「……私が見るかぎり、ladyの姿はないのですが」

「しゃらっぷ、司くん!こういうのは雰囲気が大事なの!発言するなら手あげて!」

私が机を叩いて熱弁すると、近くにあったジュースの入っていた紙コップがぐらりと揺れた。倒れる前、間一髪で瀬名先輩が紙コップをおさえる。じとり、と青い目に睨まれた。

「じゃあ、質問よいかしら?」

そこで手をあげたのは、我らがお姉ちゃん、鳴上先輩。

「発言を許可しましょう、なるお姉ちゃん!」

「ウフフ、ありがと♪さっそくだけど、お仕事の話題じゃないのよね。何故アタシたちが呼ばれたのか、はやめに本題に入ってもらえないかしら?」

「あっはい」

茶番はいらないとでもいうような鳴上先輩。今日ノリ悪いな、いつもめちゃくちゃ良いのに!

落としていた電気をつけて、席に座りなおす。凛月先輩が寝床で寝ているのと、月永先輩が部屋の隅で作曲しているのはいつものことだしもう触れない。

「皆さんは……1Aに転校してきたニナという女子をご存知でしょうか?」

私がそう切り出した瞬間、部屋の隅にいた月永先輩がガバリと顔をあげた。

「知ってる!おれ、そいつ知ってるぞ!おれが作曲してたら「もう、月永先輩。こんなところに紙散らかしてたらだめですよ。捨てときますね」って話かけてきた!!だけどな、お前が捨てたやつおれが作曲したやつだから!!!ゴミじゃないから!!!あいつのせいでおれのインスピレーションが潰された!絶対に名前忘れないからな!!!」

「まあ床に散らかしてたらゴミと勘違いされますよね、それはご愁傷様です」

「A、オマエひどいな?」

口を尖らせる月永先輩を完全スルーして、机に向き直る。しかし、あの月永先輩が名前を覚えるなんてなかなかの逸材だ。楽譜捨てたのは印象づけのためなんじゃないかとすら思える。

「そうだわ、その子よ!!Aちゃん、知ってる?」

突然、鳴上先輩が身を乗り出して手招きしてきた。頷きながら、先輩の口元に耳を向ける。一拍おいて、鳴上先輩は囁いた。

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紅茶が凍っちゃった - 今28話なんですけど、アスターの花言葉に信じる恋っていうのがあって死ぬかと思いました… (2022年12月30日 12時) (レス) @page28 id: 4e52f11739 (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - まだ途中ですが、leaderと草食べるのところで盛大に笑ってしまいましたwww最高ですもう、アメイジングさらっと言っちゃう主人公ちゃんも面白いですwww (2017年8月14日 2時) (レス) id: 9cb245a304 (このIDを非表示/違反報告)
もっちり兎(プロフ) - チベットスナギツネで検索かけてしばらく爆笑してました。面白くて、大好きです!(この小説がです!) (2017年6月12日 22時) (レス) id: e54c16753f (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - 匿名さん» ご指摘、誠にありがとうございます。つきましては、お手数をおかけしますが改悪だと感じられる箇所をお教えいただけると変更しやすいので、お教えくださると幸いです。 (2017年6月10日 21時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 二次創作の裏切りはキャラの改悪につながり、原作のイメージダウンとなりうる可能性があります。なので作品のパスワード保護、または改悪部分の変更、又は作品の削除をお勧めします (2017年6月10日 19時) (レス) id: 41b9136f09 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まめだいふくもち | 作者ホームページ:http://ない  
作成日時:2016年6月17日 0時

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