経過報告/2 ページ16
かなり気がたっている様子でスタジオに現れた瀬名先輩は、つかつかと歩いてきたかと思うと、椅子に腰をおろす。そして「ああもう、チョ〜うざぁい!」といつもの毒を吐いた。
「セッちゃん、超怖いんだけど〜。……あれ、なんかセッちゃんからすっごく甘い香りがする。くんくん……なにこれ、香水?」
俺が嫌いなタイプの匂いだ、と凛月先輩が鼻をつまんで離れる。気になって、着替え終わった司くんと私は瀬名先輩の肩に鼻を近づけた。後ろから、鳴上先輩も顔を覗かせる。
「うわっ、なにこれくさっ!セッちゃん先輩趣味悪いですね!!」
「瀬名先輩はそれでもmodelなのですか?些か、香りが強いように思えます。香水のつけすぎでは?」
「泉ちゃん、香水はうなじとか腕とか一部分にちょっとだけで良いのよォ?」
口々に言う私たちに、瀬名先輩が「うっさい!」とキレた。ひえ怖。
「そりゃ臭いに決まってんでしょ、あの女に抱きつかれたんだから!!」
……ゑ??
言い切った瀬名先輩は舌打ちをして立ち上がると、ジャケットを脱ぎ捨てて私の方に投げる。「リセッシュしといて、匂いが染みつく前に!!」いや人使い荒くない?
「え、ええっと……?つまり瀬名先輩が臭いのは、どういうことなのですか?」
動揺している司くんが問う。
「どうもなにも、言った通りだけど。その香水の匂いは、椎名のやつだから、俺が臭いみたいな言い方しないでよねぇ!!」
いや、司くんは「どうしてそういう状況になったか」ってことを聞きたいんだと思う…。
「そうだセッちゃん先輩、私今日ニナと話したんですけど、セッちゃん先輩の話してましたよ。セッちゃん先輩、ニナに「お前を信じるよベイベー」っていったんですよね?」
「……まあ、そんな口調ではないけど、言ったよぉ。正しくは「Aに怪我させられたんだってぇ?こんな子に、信じられない。俺はニナの味方だし、ニナのことを信じるから。だから、なんでも相談してねぇ」って。そしたら抱きつかれた」
「うわ、よく言う」
凛月先輩が噴き出す。ほら、瀬名先輩は出まかせが上手だから……。
「でも、こう言っとけば、何か相談してきたときに今後の動向が読めるかもしれないでしょ?」
「うわ、泉ちゃん狡猾」
「なんとでも言って」
俺が易々と味方になると思わないでよね、と瀬名先輩は鼻を鳴らした。
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紅茶が凍っちゃった - 今28話なんですけど、アスターの花言葉に信じる恋っていうのがあって死ぬかと思いました… (2022年12月30日 12時) (レス) @page28 id: 4e52f11739 (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - まだ途中ですが、leaderと草食べるのところで盛大に笑ってしまいましたwww最高ですもう、アメイジングさらっと言っちゃう主人公ちゃんも面白いですwww (2017年8月14日 2時) (レス) id: 9cb245a304 (このIDを非表示/違反報告)
もっちり兎(プロフ) - チベットスナギツネで検索かけてしばらく爆笑してました。面白くて、大好きです!(この小説がです!) (2017年6月12日 22時) (レス) id: e54c16753f (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - 匿名さん» ご指摘、誠にありがとうございます。つきましては、お手数をおかけしますが改悪だと感じられる箇所をお教えいただけると変更しやすいので、お教えくださると幸いです。 (2017年6月10日 21時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 二次創作の裏切りはキャラの改悪につながり、原作のイメージダウンとなりうる可能性があります。なので作品のパスワード保護、または改悪部分の変更、又は作品の削除をお勧めします (2017年6月10日 19時) (レス) id: 41b9136f09 (このIDを非表示/違反報告)
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