回る歯車/1 ページ37
夢ノ咲学院アイドル科の現生徒会長・朔間零といえば、そのカリスマ性とフランクな性格で老若男女に慕われ、極め付けには群を抜いた圧倒的なパフォーマンス能力。まさに天賦の才の持ち主である。
「ねえ、さっき零さまが登校してるのみちゃったんだけど！」
「え〜っ！何それ羨ましい！」
＿＿＿＿クラスメートの女子たちの会話を聞きながら、昨日家に帰ってから調べた夢ノ咲学院アイドル科の公式プロフィール一覧から見つけ出した零さんの基本情報を思い返して私は机にべしゃりと顔をつけた。
学院の頂点に立つ生徒会長。輝かしい人気を博すアイドル。
……私、そんな人凄い人と一緒に過ごしてたの？
怖いとか恥ずかしいとかを通り越して、最早恐れ多い。もっというと穴を掘ってその中に埋まって死にたい。
「……鬱……」
なんて、呟いた独り言は、不運にも拾われてしまった。
「鬱？佐倉さん、どうしたの？」
前の席の女の子だ。振り返って、その形のいい大きな瞳で私を見つめている。
その視線が少し恥ずかしかったけど、前ほどではなかった。
「あっ……なんでもない、よ」
「本当に？」
コクコクと頷くと、何を思ったのか彼女はさらに言葉を重ねた。
「ねえ佐倉さん、朔間零って知ってる？」
噎せた。
何も飲食してないけれど、噴き出して咳が出る。「ど、どうしたの！？」心底驚いたような声がして、私は誤魔化すように「し、知ってます……！」と頷いた。
知ってるどころか昨日会ったし、なんなら毎日会ってる。
一方、私の返答を聞いた彼女はぱあっと顔を明るくした。
「本当！？結依、零くんのファンなんだけどね。昨日、普通科の校舎内で零くんを見かけた〜、って噂を聞いたの！」
「あ、えと……この前、クラスに来てたよね」
この前私を探しに来たときだ。すると彼女は握りしめた片手を興奮気味に上下させる。
「そうなの〜！結依ね、そのときクラスにいなくって、見れなくって……」
あ〜、これは多分私を迎えに来たとき。零さんは周りに無頓着だし、気づいてなかったんだろう。
……というか、この子の名前は「ゆい」っていうんだ。自分の名前が一人称って、すごく女の子らしいなぁ。あと名前がわからなかったから助かった。
「でも昨日、中庭で見たって人がいたじゃん？だから今日の放課後、見にいこうと思って！」
……んん？
これ、もしかしなくても不味いんじゃ。
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まめだいふくもち(プロフ) - こたつさん» こたつさん、ご指摘誠にありがとうございます。漫画などでよく見る表現だったのですが、なにか事件が関連していたのですね…。勉強になりました。つきましては、その表現を修正させていただきます。コメントありがとうございました！ (2017年10月29日 15時) (
レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
こたつ - ドラム缶に東京湾というワードは某事件を連想させるので修正した方が良いのではないでしょうか？ (2017年10月29日 9時) (レス) id: ae4fce482d (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - 抹茶粉さん» 抹茶粉さん、コメントありがとうございます！とてもとても嬉しいです…！私もれいさんにプロデュースされたい！という思いから書き始めたので、光栄です笑 (2017年8月2日 22時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶粉 - 零さんにプロデュースされるなんて夢見たいです…！もう始まりから胸のきゅんきゅんが鳴り止みません！笑 続き楽しみにまってます！更新頑張ってください！ (2017年7月26日 16時) (レス) id: 634a139de2 (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - ベリーさん» ベリーさん〜！ご指摘ありがとうございます。修正してまいりましたのでご確認ください。そして、またこのような事態があればお知らせください。 (2017年1月14日 13時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
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