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真緒side
「あっ！まおせんぱーーーい！！」
少し遠くから。よく通るAの声。
声のした方を見れば、ただでさえ目立つ女子生徒が大きな声を出したもんだから周りの奴らの目がAの方に集中する。
そんな視線なんて気にも止めず(Aの場合は気づいてないって可能性もあるけど)嬉しそうにニコニコ笑いながらぶんぶんと手を振ってくる。
軽く手を振り返してやれば、また嬉しそうに笑う。
満足したのかなんなのか、よくわからないが、スキップでもし始めそうなくらい軽い足取りでグラウンドへ向かって行くAの後ろ姿を見送って、つい、小さくため息をついてしまう。
『言っときますけど、誰にでもこんなこと言ってるわけじゃないですからね？』
『…なぁーんてっ！まお先輩のことを困らせるのは、本意ではないのですよ！』
昨日のAの言葉と、少し切なげな笑顔。
俺を困らせるのは本意じゃない、なんて。
何を今更。
なんでもないこと、当然、みたいな顔して、かっこいいとか、可愛いとか、大好きだとか。
…可愛い、ってAに言われるのはちょっと複雑な気分になるけど…
俺がAの言動のひとつひとつに、ドキッとさせられたり、なにかを期待してしまっているのを知りもしないで。
「…はぁ。Aはただの後輩。
可愛いなとは思うけど、そういう感情じゃないよ」
もう一度、今度は大きくため息を吐いて自分に言い聞かせるように呟き教室へ「Aが…なんて〜？」
「うおっ！？凛月！？は、おま…っいつからそこに！？」
「なーーいしょ…♪」
…教室へ戻ろうと後ろを向いたらどこからか凛月が現れて、変に緊張してしまう。
「…さっきの、聞いてたか？」
「さっきのって？」
「いや、聞いてないなら別に「Aはただの後輩「バッチリ聞いてるんじゃないか！！忘れろ！」
「いやだ☆」
「あぁもうっ！凛月のバカ！！」
「ま〜くん理不尽〜
まあいいや。これだけは言っとくけど…Aはうちの子だから、例え相手がま〜くんでもあげられませーん」
べーっと舌を出しながら。
「いやいやいや、Aはべつに朔間家の子じゃないだろ」
「朔間の子じゃなくても俺の妹なんですぅ〜」
「意味わからん。教室戻るぞ〜」
意味不明な発言を続ける凛月に、なにやら気が抜けてしまいながら教室に入る。
「あ、Aだ。…ふふふ…こういうとき窓際最高、って思うよねぇ…♪」
「おい凛月、先生に当てられてるぞ！
珍しく起きてると思ったらなにやってるんだよ…」
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えびみりん焼き(プロフ) - 月兎さん» 気づくのめっちゃ遅れてしまった…！！感想ありがとうございます！！元気貰っちゃったのでこれからも頑張ろうと思います！！早くくっつけ〜って思ってるのは実は私もだったり……(？) (2020年3月6日 9時) (
レス) id: f1f0e010d5 (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - 衣更くんと元気いっぱいな主人公さんがとっても可愛いです。はやくくっついてよと一々思います。可愛くて面白いです。更新頑張ってくださいね。 (2020年1月3日 13時) (レス) id: fdb5669a18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えびみりん焼き | 作成日時：2019年6月20日 11時
