射手。５話 ページ6
＊
「……まぁ、ちょっと安心した」
思わず溢れる心の声。言い合いをしている３人には届いていないみたいだけど、それでよかったと思う。知らなくていいんだ。この人たちは。
真っ直ぐに前を向き続ける人たち。俺とは違う、日の光に当たり続ける人たち。別世界にいる人達なんだから。
「じゃあ、俺たちは帰ります。姉貴のこと、よろしくお願いします」
「おう、またな！」
「またね！」
「気ぃ付けろよ〜」
返してもらった言葉にぺこりと頭を下げ、さっき目を覚ましたかと思いきや二度寝した詩乃を起こす。友紀はおぶって帰るから問題ないが、詩乃もおぶるとなるとかなりきつい。大規模侵攻中は熱もあったから歩かせるわけにはいかないと思って二人抱えたけど、今はもう熱はないし健康体だ。甘やかすわけにはいかない。
何度呼びかけても起きない。ぺちぺちと軽くほっぺを叩いてみると、ん、と声を小さく上げて目を開ける詩乃。
「ほら、もう起きろ。帰るぞ」
「……あぁ、ん。だいちゃんかぁ……、おはよ〜」
「ったく、いつまで寝てんだ。食材買いに行くの付き合え。今日はお前の好物作ってやるから」
「……ほんと？やったぁ、すぐ用意するね〜」
まだ少し寝ぼけている詩乃。はぁとため息をつき、目を覚まさせるためにほっぺを強めに叩いてみる。すると、パァンッとかなり強めの音が出た。あ、やべ。
「……！！？」
「わりぃ、詩乃」
「んー……、まぁ目が覚めたし今日はギリギリセーフ」
てっきり怒鳴り散らすと思ったのにあっさり許してくれた。……なんだこいつ、いつもと全然違う。目を覚めさせたとしても、いつもならすぐに怒るのに。不思議に思って少し観察してみる。すると、
「……から、風間さんも言ってたじゃん」
「そうだっけ？」
「あーもー、お前らうるせぇ」
詩乃は目をハートにしてカチューシャの男の人……、米屋先輩を見ていた。は！？一目惚れ！！？がく然と詩乃を見ていると、胸の前で指を絡ませてうっとりとつぶやく。
「あの人カッコいー……」
ウソだろ……！！思わずあんぐりと口を開けてしまった。まだ寝ぼけているのではないかと思ったけど、どうやらもう寝ぼけてはいない様子。……本当に惚れてしまったらしい。
「……ちょ、ホントに家に帰るぞ」
「えっ、あの人と喋りたい！」
「俺が教えてやるから！」
「大ちゃんじゃやだ！あの人の口から訊きたい！」
「俺が教えてやるって！！！」
まだ寝ている友紀を起こさないようにおぶり、いやだいやだと駄々をこねる詩乃を引きずって帰った。
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受験生 - こんばんは、高校受験をあと一週間後に控えた受験生です。はい。なにやってんだ。勉強しなくちゃいけないのがわかってたけど、読み進める手が止まりませんでした。私も夢主みたいに乗り越えていきます。たくさん勇気を貰いました。ありがとうございました！！！ (2020年2月24日 22時) (
レス) id: 61c0c59d71 (このIDを非表示/違反報告)
岡本 珠理奈(プロフ) - いろえんぴつさん» そうなんですね！これからもよろしくお願いします！ (2018年8月1日 21時) (レス) id: 05e4939074 (このIDを非表示/違反報告)
いろえんぴつ(プロフ) - 私は１５年しか生きていない高1です。（笑） (2018年8月1日 20時) (レス) id: c175a64265 (このIDを非表示/違反報告)
岡本 珠理奈(プロフ) - いろえんぴつさん» ありがとうございます！はい笑、まだ１６年しか生きていない高1です……笑。コメントありがとうございます！これからもがんばりますね！ (2018年8月1日 18時) (レス) id: 05e4939074 (このIDを非表示/違反報告)
いろえんぴつ(プロフ) - 完結、お疲れ様です！！高校生だったんですか！？これからも頑張ってください (2018年8月1日 17時) (レス) id: c175a64265 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：岡本珠里奈 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hsjkei1/
作成日時：2018年3月25日 18時
