射手。１５話 ページ16
＊
「……あー……、公平先輩、あの」
言葉を必死に考える。まだ無言の公平先輩。壁に寄りかかっていたのに無言ですたすたと歩いて来て、太刀川さんが座っていた椅子に腰を下ろす。……無言つらいです。
なにか声を掛けなきゃと１人で焦っていると、
「……A、悪かった！」
いきなり公平先輩があたしに頭を下げた。焦っている時に突然謝罪をされたのでまた焦ってしまう。……ん！！？
「え！？公平先輩？」
「大規模侵攻前に、Aのこと全然考えてない発言してお前を傷つけた」
「いや、あれはあたしも悪いですしっ、」
項垂れる先輩を見て、胸がきゅっと締め付けられるように痛くなる。……あたしは、先輩にそんな顔させたくなかったのに。悔しそうな悲しそうな、やるせない表情をさせたかったわけじゃないのに。
先輩だけが悪いわけじゃない。全部、あたしが悪いんだ。自分のせいで、でもそれを認めたくなくて。それで先輩にたくさんのご迷惑をかけて、先輩を怒らせてしまった。元凶はあたしだ。先輩はなにも悪くない。悪いのは、全部あたしなんだ。
「……俺、大規模侵攻前に迅さんから、お前が危険な目に遭うかもしれないって言われたんだ。誰も助けられる分岐点にいなくて、未来を変えることができるのはA自身だって。最悪な未来は、Aが死ぬことだっても言われた」
「……迅さんの“未来を視る”副作用……」
「あぁ。……避けるためには、Aを強くすることだって言われた。だから、俺は……」
うつむいている公平先輩。表情は見えないけど、声からして先輩は泣きそうになっているんだと思う。でも、あたしにそれを見せたくなくて下を向いているんだと思う。
……気づかなかった。公平先輩も抱えてたんだ。あの言葉は全部、あたしのための言葉だったんだ。あたしが死なないように、最悪な未来へ行かないように誘導しようとしてくれていたんだ。……なのに、なのにあたしは。
『……んで、公平先輩にそんなこと言われなくちゃいけないんですか……！！』
そう言ってキレた。先輩の気持ちを考えもせず、ただ自分が追い込まれてて、どうしようもない状況に１人で焦って答えになる道を自分で潰していた。
先輩に、どんなに悲しい思いをさせてしまったのだろう。どんなに苦しい思いをさせてしまったのだろう。そう考えると、自分自身に対して表しようのない怒りが出てきた。……先輩は、あたしのためを思ってくれていたのに、あたしはなんであんな態度をとってしまったんだろうと。
自分が情けなかった。
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受験生 - こんばんは、高校受験をあと一週間後に控えた受験生です。はい。なにやってんだ。勉強しなくちゃいけないのがわかってたけど、読み進める手が止まりませんでした。私も夢主みたいに乗り越えていきます。たくさん勇気を貰いました。ありがとうございました！！！ (2020年2月24日 22時) (
レス) id: 61c0c59d71 (このIDを非表示/違反報告)
岡本 珠理奈(プロフ) - いろえんぴつさん» そうなんですね！これからもよろしくお願いします！ (2018年8月1日 21時) (レス) id: 05e4939074 (このIDを非表示/違反報告)
いろえんぴつ(プロフ) - 私は１５年しか生きていない高1です。（笑） (2018年8月1日 20時) (レス) id: c175a64265 (このIDを非表示/違反報告)
岡本 珠理奈(プロフ) - いろえんぴつさん» ありがとうございます！はい笑、まだ１６年しか生きていない高1です……笑。コメントありがとうございます！これからもがんばりますね！ (2018年8月1日 18時) (レス) id: 05e4939074 (このIDを非表示/違反報告)
いろえんぴつ(プロフ) - 完結、お疲れ様です！！高校生だったんですか！？これからも頑張ってください (2018年8月1日 17時) (レス) id: c175a64265 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：岡本珠里奈 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hsjkei1/
作成日時：2018年3月25日 18時
