射手。14話 ページ15
*
「……と、まぁこんな感じかな」
「あたしが、特級戦功……?」
「貰って当然だと思うよ?だって、人型撃破してるし、新型撃破数に関してはボーダーの中でも2位だし」
そう言いながらバインダーを鞄の中へ戻すゆっちゃん先輩。そして、さてとと言って立ち上がった。
「これで私の話は終わり!次は……、太刀川さん?」
「あぁ、」
「じゃあ交代」
ゆっちゃん先輩が座ってた椅子に今度は太刀川さんが座る。……あれ、これって先輩方1人1人から何か受ける感じのやつかな。だったら、最後は公平先輩か。なんて言われるんだろう、なんてちょっと身構えてしまう。
太刀川さんはいつものニヤニヤした表情じゃなくて、真剣な表情であたしを見ている。
「……霜平、」
「はっ、はい」
あまりにも太刀川さんが似合わない真剣な表情をしているから、あたしは緊張して声が裏返ってしまう。……ゆっちゃん先輩、公平先輩。なに笑ってるんですか。もう笑うなら声に出して笑ってくださいよ。声に出さずに笑われるのが一番きついです。肩を震わせてるのに、声我慢しないでくださいよ。
もう、とほっぺを少し膨らませてみる。太刀川さんの後ろで手を合わせて頭を下げてくる先輩方。あたしもまさかそこまでするとは思ってなくて、慌ててしまう。
「……霜平」
「はいっ!」
「おつかれ」
「……はいっ!」
太刀川さんからはその一言。ほかの人からしたらたった一言かもしれない。でも、あたしにとっては大切な言葉だ。太刀川さんのその言葉は、あたしを元気にさせる魔法でも入ってるんじゃないかって思ってしまうほど。
しかも太刀川さんはあたしの頭に手を置いて、不器用ながらにも撫でてくれる。怪我が痛むということも配慮してくれているのか、優しく撫でてくださっているのが分かって自然にほっぺが緩む。もうそれだけで充分だった。
あたしの頭を何分か撫でていた太刀川さん。本人は飽きてしまったのか、すぐに立ち上がってしまったけど。
「はい、じゃあ次出水」
「私たち外に出てるね〜」
「えっ?太刀川さん、ゆっちゃん先輩?」
そそくさと病室から出て行く太刀川さんとゆっちゃん先輩。残されたのはあたしと公平先輩だけ。というか無言。この無言結構きついですよ!!?
……え、えとなんか話題振った方がいいのかな!?えーと……?そう考えるものの、どう言葉にすればいいのか分からずにおろおろしてしまう。
「……あの、公平先輩」
「……」
声を掛けてみたものの、次にどうするか考えてなくてまたおろおろしてしまった。
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受験生 - こんばんは、高校受験をあと一週間後に控えた受験生です。はい。なにやってんだ。勉強しなくちゃいけないのがわかってたけど、読み進める手が止まりませんでした。私も夢主みたいに乗り越えていきます。たくさん勇気を貰いました。ありがとうございました!!! (2020年2月24日 22時) (レス) id: 61c0c59d71 (このIDを非表示/違反報告)
岡本 珠理奈(プロフ) - いろえんぴつさん» そうなんですね!これからもよろしくお願いします! (2018年8月1日 21時) (レス) id: 05e4939074 (このIDを非表示/違反報告)
いろえんぴつ(プロフ) - 私は15年しか生きていない高1です。(笑) (2018年8月1日 20時) (レス) id: c175a64265 (このIDを非表示/違反報告)
岡本 珠理奈(プロフ) - いろえんぴつさん» ありがとうございます!はい笑、まだ16年しか生きていない高1です……笑。コメントありがとうございます!これからもがんばりますね! (2018年8月1日 18時) (レス) id: 05e4939074 (このIDを非表示/違反報告)
いろえんぴつ(プロフ) - 完結、お疲れ様です!!高校生だったんですか!?これからも頑張ってください (2018年8月1日 17時) (レス) id: c175a64265 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:岡本珠里奈 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hsjkei1/
作成日時:2018年3月25日 18時