258話です ページ35
「いや弟君がピンチだってよくわかったね」
「なめんじゃねぇ！！それぐらいわかる！！」
エスパーかな、と綾が笑う。そうかもしれないと私が苦笑すると山本さんも少し笑った。その後に、オレは、と続けここにきた経緯を話す。どうやら彼は店に帰る途中、鬼の形相でここに向かう獄寺を見つけたからついてきたらしい。
「なーんか慌てた様子だったからよ。何かあんのかもと思って。そしたら案の定だ」
「ケッ」
「気に食わねえガキどもがゾロゾロと」
「ユキ」
ライフセイバーがこめかみに青筋を立てながら言った時、恭弥さんが私の名を呼んだ。
「悪いけど綾と一緒に端の方にいてくれない？邪魔だから」
「……はい」
まあ恭弥さんの言葉は最もだと思う。だがついてこいと言ったのは恭弥さんだと食ってかかりたい気持ちもあった。
しかし、ここでソレを言ってしまったら私まで咬み殺されてしまうかもしれないと思い、溜息を吐くにとどめた。
「綾」
「はいはーい。ユキのことはちゃんと守りますよー。ユキ、とりあえずこっちへ行こ！！」
そう綾は私の右手を左手で掴むと目の前に立っていた男の急所を突く。倒れる男にチラリとも見ずに綾は本殿の裏へと向かった。
綾に手を引かれながらふと振り返ると恭弥さんとツナが共同戦線を張って先輩方を一掃していた。これならそう長くは掛からないだろう。
「ーーー」
「……ん？ユキ、なんか言った？」
「いえ、何も……」
＊＊＊
「とりあえずここまでくれば安全かなぁ」
本殿の裏にやってきた綾はふぅっと息をついて腰を下ろす。そんな綾に続いて私も腰を下ろせば綾は空を見上げた。青空にはほんのりとオレンジ色と赤、紫のグラデーションがかかっていた。
だが段々と暗くなってきているのはよくわかった。
「……ねえユキ」
空を見上げている私に綾が声をかけてくる。まだ参道の方からは怒号や殴る蹴るなどの鈍い音が聞こえてくるため、喧嘩はまだ終わっていないようだ。
「なんですか？」
「ずっと聞きたかったことがあるんだ」
「聞きたかったこと？」
「うん。兄さんことで。なんでユキは兄さんに嫌われたと考えているんだろうって思ってさ」
「なんでって……それは」
「それは？」
ーーそれは…何でだろう。
そう言えば私は何故彼が私のことが嫌いだと思い始めたのだろうか。
彼が人に暴力を振るうことはいつものことだ。それが理不尽だろうが不条理だろうが、風紀を正すためだということは知っている。
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夜野兎(プロフ) - あーさん» まじですか笑笑。なんとなくで思いついたものを詰め込んでみたらこうなりました！！コメントありがとうございます！！ (2017年11月23日 15時) (
レス) id: e61c8df72f (このIDを非表示/違反報告)
あー - 表紙絵がうけますwww (2017年11月23日 10時) (レス) id: 39cc4c9138 (このIDを非表示/違反報告)
夜野兎(プロフ) - にゃーさんさん» ありがとうございます！！更新頑張ります！！ (2017年11月12日 9時) (レス) id: e61c8df72f (このIDを非表示/違反報告)
にゃーさん - 面白いです。
更新頑張ってください。 (2017年11月12日 1時) (携帯から) (レス) id: bef68917c1 (このIDを非表示/違反報告)
夜野兎(プロフ) - 扇華→さん» コメントありがとうございます！！頑張って更新したいと思います！！ (2017年11月9日 8時) (レス) id: e61c8df72f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜野兎 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時：2017年11月9日 0時
