【薄桜鬼SSL】桜下偃月記 壱

七話　時代差 ページ8

左之「切り捨てるって・・・この時代に、そんな事言う奴はいねーだろ。」


彼は苦笑しながらいう。


その言葉に彼女は引っかかりを感じた。


A「・・・この時代？」


幕末動乱の時代、あまり多くはないだろうがそういう事例もあるはずだ。


左之「平成で平和ボケ、なんて外国から言われてるぐらいだからな。」


A「へい・・・せい・・・？」


また現れた聞き覚えのない言葉に首を捻る。


その様子に、どうもおかしいことに気づいたらしい。


左之「最初に見た時から妙な格好だとは思ってたが、

　 平成を知らないなんてことはないだろ。年号だぜ？」


A「汝は何を言っているのだ？今は慶応だぞ？」


どうも話がかみ合わない。


だが、何か心当たりはあるようだ。


左之「俺は社会は専門外なんだよな・・・。」


ブツブツと何か呟きながらあのときの小さな薄い板を弄っている。


左之「慶応・・・ってと、江戸時代の終わりか。

　 ・・・っておい、ちょっと待て、それはどういうことだ？」


急に頭を抱え込んで悩みだすが、それは彼女も同じこと。


左之「まさか・・・・・・・・・」


彼はじっと彼女を見る。


最初に見た時の袴姿。


おもちゃとは思えない日本刀。


古風な喋り方。


洋服の存在への怪しげな態度。


信じられないとは思いつつもその言葉を口にする。


左之「・・・・・・おまえ、タイムスリップしてきたのか？」

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