〇48__見ない、見ない ページ48
隙間時間を有効活用するテヒョン君よりも二歩ほど早く教室に足を踏み入れて、思わず足が止まった。
そんな私の挙動に気づかず前進したテヒョン君が敢えなく背中にぶつかる。
「あ、すみません」
少し前によろけた私の肩を掴んだテヒョン君に「ううん」と返しながら、机を並べてノートを開いているセウンとヨンジュンから目が離せない。
二人もこちらを見つめたまま固まっている。
一瞬の沈黙を経て「プリントは？」と尋ねるテヒョン君の声で時間が再び動いた。
はっとして目的を思い出した私は、テヒョン君の右腕を掴んで「こっちこっち」と教室の中央まで突き進む。
あっちは見ない、あっちは見ない、と心で唱えて。
椅子を引きながら、どうしたって二人の様子を気にしてしまう自分がいた。
何か他愛のない会話でもしてくれればいいのに、二人とも黙り込んでいる。
見ない、見ない、と唱えていたのに、屈んで机の中を探りながら何気なく廊下側へ目を向けてしまった。
毎日そうしているのだから、いつの間にか癖になっていたのかもしれない。
けれども、私の視界はテヒョン君の真っ白なシャツによって遮られた。
そのまま視線を上げると、隣の席の椅子に腰掛けてこちらを見下ろすテヒョン君と目が合う。
その手に単語帳は無い。
ヨンジュンが気になる心の内を悟られた気がして、慌てて机の中へ視線を戻した。
「あった」
少し皺が寄った物理のレポート用紙を引っ張り出すと、テヒョン君が「ずさんな管理だ」と呟いた。
「違うよ、急いでてこうなったの！ていうか綺麗に整頓された私のファイル、いつも見てるでしょ」
後で片づけようと適当に放り込んだまま忘れていたからこうして取りに来ているのであって、管理能力が低いわけではない。
汚名返上を図り、鞄からファイルを取り出して頭上に掲げてみせた。
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am(プロフ) - ノアさん» ノア様 嬉しいお言葉をありがとうございます。丁度構想を練っている時分にコメント通知を受け取ったので、創作意欲が湧きました♡これからも涙腺を刺激するようなテヒョン君を書けるよう頑張ります⋆⸜ ⚘ ⸝⋆ (2021年10月8日 23時) (
レス) @page48 id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 文章が天才的すぎます！！泣 テヒョンペンなので今泣きながら見てます笑 更新楽しみにしてます！！^^* (2021年10月8日 21時) (レス) @page46 id: f00cf6f10c (このIDを非表示/違反報告)
am(プロフ) - ミミさん» ミミ様 早速のレスポンスありがとうございます!晴天の霹靂と言ったところでしょうか。ヨンジュン、最近黙ってばかりだなぁと心配しながら執筆しております🥲 (2021年9月28日 3時) (レス) id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - am様、二度目のメッセージを投稿します。今ほど更新された話を読んだところですが、いやぁ、こうきたか！って感じです。主人公ちゃんに気持ちを寄せてしまっています。主人公ちゃんが頭の良さが文章の描写から伝わってきますね。ああ、続きどうなるんだろう。 (2021年9月27日 16時) (レス) id: 877c5b508b (このIDを非表示/違反報告)
am(プロフ) - aaaoooさん» aaaooo様 素敵なお言葉をありがとうございます。伝えたい🐿さんが届いているようで嬉しいです!もっと読みたい、そう思ってもらえる作品を綴っていくのでよろしくお願い致します♡ (2021年9月27日 16時) (レス) id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：am | 作成日時：2021年8月22日 14時
