〇32__ハート柄の絆創膏 ページ32
「取れたんですね」
ツンツンと自分の口角を人差し指で叩いたテヒョン君に「おかげさまで」と首を竦める。
安静にさせることが難しい箇所の傷だからか、意外にも治りが遅く、目立つ場所にできたニキビと共存するのと同じくらい気分が下がっていた。
「ちなみに僕はこの前やりました」
垂直に立てられた親指にはハート柄の絆創膏が巻かれている。
「随分かわいいものをお召しになって」
「クラスの人が貼ってくれたんです」
クラスの人、という表現にとてつもない距離を感じる。
そして、それはきっと女の子で、しかもテヒョン君に気がある子で、と私にしては珍しく彼らの恋愛模様を推察できた。
「僕もう高校生なので絆創膏ぐらい一人で貼れます」
親指を眺めるテヒョン君は、「でも貼りたそうにしていたので、その献身さを尊重しました」と続けた。
冷ややかなのか温かいのか、どうにも矛盾した理論を聞いて名前も知らない女の子に同情する。
"付き合っちゃいなよ"
そんなテヒョン君の精悍な目つきを見つめていると、エコーのかかったセウンの言葉が突然脳内へ降りてきた。
「どうかしました？」
恐らく凝視していた、その目を。
「ううん」
否定とは別に邪念を消し去る意も込めて、首を大きく横に振る。
「テヒョン君は彼女いるのかなと思って」
何となくほわほわと思い浮かんだ事をそのまま言葉にして後悔した。
この流れでその話題を持ち出すのか、私は。
しかも、その答えはついこの間セウンによってもたらされていた。
いないのは知っている。
慌てて発言を取り消そうとするも、間髪入れずに答えたテヒョン君によって突き進むこととなる。
「いたらここには来てませんし、これも拒否してます」
「そうだね、確かに」
相変わらずの鋭い発言に身を縮めながら、テヒョン君はそういうのを気にするタイプなんだと思った。
「Aさんはいるんですか？」
数式をすらすらと文字に起こすテヒョン君に「いないよ」と答えると、「ですよね」と無機質に返された。
「何だろ、その『わかりきってます』みたいな反応悲しい…」
「そういう意味じゃないですよ」
クスクスと笑うテヒョン君に「じゃあどういう意味？」と尋ねると、「自分で考えて下さい」と門前払いを喰らった。
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am(プロフ) - ノアさん» ノア様 嬉しいお言葉をありがとうございます。丁度構想を練っている時分にコメント通知を受け取ったので、創作意欲が湧きました♡これからも涙腺を刺激するようなテヒョン君を書けるよう頑張ります⋆⸜ ⚘ ⸝⋆ (2021年10月8日 23時) (
レス) @page48 id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 文章が天才的すぎます！！泣 テヒョンペンなので今泣きながら見てます笑 更新楽しみにしてます！！^^* (2021年10月8日 21時) (レス) @page46 id: f00cf6f10c (このIDを非表示/違反報告)
am(プロフ) - ミミさん» ミミ様 早速のレスポンスありがとうございます!晴天の霹靂と言ったところでしょうか。ヨンジュン、最近黙ってばかりだなぁと心配しながら執筆しております🥲 (2021年9月28日 3時) (レス) id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - am様、二度目のメッセージを投稿します。今ほど更新された話を読んだところですが、いやぁ、こうきたか！って感じです。主人公ちゃんに気持ちを寄せてしまっています。主人公ちゃんが頭の良さが文章の描写から伝わってきますね。ああ、続きどうなるんだろう。 (2021年9月27日 16時) (レス) id: 877c5b508b (このIDを非表示/違反報告)
am(プロフ) - aaaoooさん» aaaooo様 素敵なお言葉をありがとうございます。伝えたい🐿さんが届いているようで嬉しいです!もっと読みたい、そう思ってもらえる作品を綴っていくのでよろしくお願い致します♡ (2021年9月27日 16時) (レス) id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：am | 作成日時：2021年8月22日 14時
