20.歌う意味(後半Arata side) ページ22
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Tanahata side
学校に行かなくなってからは、ひたすらに音楽を聞いて、歌っての繰り返しだった
バレーを出来なくなった今の私にとって取り柄と言える物は"歌うこと"しかなかったし、何よりも歌は昔から好きだったから
幼い頃から母と共にボイストレーニングをしていた事もあり、歌には自信があった
独学でギターやピアノなんかもかじり、弾き語りをできるレベルにはなっていた
ある日、初めて自分が歌った動画を"七"という名前でYouTubeにアップした。特に目的なんてものはなくて、ただの気まぐれというやつで
録音も編集も、大変なことは多かったが幸い私は機械に強いのか、そこまで苦労する事はなかった
元々はボーカロイドの曲をギター様にアレンジした弾き語り。悲しげなメロディと歌詞が素敵な曲だった
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動画をアップした次の日、パソコンを開けばYouTubeの通知が大変なことになっていて混乱する。アプリを開けば、どうやら昨日の動画の通知のようだ
再生回数ははやくも50万回を越していて、コメントも多く来ていた
[七さんの歌を聞いて、なんだかとても元気が出ました!]
[感情の入れ方とかギターの弾き方とか、全てが魅力的。初めて聞いたけど、早くもファンになった]
いくつかのコメントを読んでいれば、いつの間にか自分が泣いていたことに気づいた。
自分が認められたかのようで、とても嬉しかった。本当の"私"を見てもらえているような気がした。
もっと、私の歌を聞いて欲しい、誰かを傷つけることなんてなく、誰かの力になりたい
私の歌で、誰かが元気になるのなら
大切な事を伝えられるなら
誰も傷つけないで済むのなら
もっと、多くの人に聞いてもらいたい、そう思った
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Arata side
歌手という道は、非常に厳しい道だということを思い知らされた
音楽が好きな俺は、大学を卒業してすぐに歌手が多く所属する芸能事務所にマネージャーとして就職した
しかし、最初は当然大人気歌手のマネージャーになれる訳もなく、入社して1年と少しの今も、俺は歌手のたまごという感じの若手のマネージャーとして仕事をしていた
伸び悩んでいた彼女は、ついに先日歌手という道を諦めたようで、事務所を辞めていってしまった
手持ち無沙汰となった俺はため息をつきながら、今日もデスクで"歌手のたまご"を探すためにSNSや動画サイトを片っ端から眺めていた
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@ゑの(プロフ) - 秋蛍さん» ご指摘ありがとうございます!!ああああなんという事を申し訳ございませんんん(;ω;)作者全く気づいておりませんでした、尾長くんですすみませんんん、 (2021年3月3日 19時) (レス) id: c4dd513e8f (このIDを非表示/違反報告)
秋蛍(プロフ) - あの…突然のコメントですみません!34話の長尾くんって人は尾長くんではないでしょうか?オリキャラならすみません! (2021年2月27日 9時) (レス) id: 29e99f8be9 (このIDを非表示/違反報告)
@ゑの(プロフ) - ドクさん» コメントありがとうございます!!ふへへ産みの親になれて光栄です(?)!!これからもどうぞすこでいてくださいよろしくおねがいします(´;ω;`) (2021年2月26日 19時) (レス) id: c4dd513e8f (このIDを非表示/違反報告)
ドク(プロフ) - スコティッシュフォールディングダイブっす…無理すこ…産んでくれてありがとうございます (2021年2月26日 8時) (レス) id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)
@ゑの(プロフ) - おみゅらいちゅさん» コメントありがとうございます!!ふあああ嬉しすぎますありがとうございます!これからもがんばりますよろしくお願いします!! (2021年1月25日 20時) (レス) id: c4dd513e8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:@ゑの | 作成日時:2021年1月3日 22時