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屋内に逃げ込んだ。屋根や壁を突き抜けて刺さったものも多くあったし、首のない人間も腸がぶち撒けられた人間も転がっていたが、そんなこと構っていられなかった。法にはこんな場合の対処など載っていなかった。どうすれば、どうすれば。何が正しいのか模索し、惑うばかり。
もう一度降り注いだ光は、偶然開けられていたらしい大きな金庫に体を収めて乗り切った。金庫を突き破って槍の先端が目の前にちらついたが、体に触れなかったのは幸運と言えるだろうか。それとも、即死を逃れてしまった不幸だろうか。
よろよろ、使い物にならなくなった金庫から這い出る。もう誰の声も聞こえなくなった。鳥の鳴き声すらも。
――何かが、そこにいた。
逃げ込んだ建物の入り口。壊れて開きっぱなしの自動ドアを潜って、白い、何かが。真っ白な翼、白に見紛うほどの眩い金の髪。そして、顔中に散らばった大小様々な赤色の目。
ミツリが真っ先に至った思考は、「あれは人間ではない」というどう見ても明らかなものだった。けれど、ミツリにとってはある意味何よりも大切だった。あれが人間でないならば。法は、自分の指針は、何の意味も示さない。
何も動けないまま、何も話せないまま。ミツリは全身に矢を受けた。その場にミツリの姿を知る者がいたとして、一見してミツリであると分からないほど、無数の矢がミツリを貫いていた。
──まだ、おかあさんに、ほめてもらっていないのに。
自らの終わりを悟ったミツリの思考は、そこで途絶えた。
終わり
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元素(プロフ) - CS提出ありがとうございます……重い……重いよう……つらいよ……なんで……？ 不備等ありませんのでこのまま受理させていただきます！幸せになってくれよ…… 今後も当企画をよろしくお願いいたします！ (2022年6月16日 21時) (
レス) @page14 id: 656d2fa00c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アカツキ | 作成日時：2022年6月15日 22時
