第28話 ページ29
｢3つ目は、遺品の整理をしたいかな｣
この一言には、さすがの高尾でも一瞬固まった。
でも、それは一瞬だけで、
仲良い人じゃないと分からないくらい。
やっぱり、高尾はいい人だ。
｢私には、両親や祖父母はいないし、彼氏もいない。
だから、死ぬのならそーゆう所しっかりしとかなきゃ誰かに迷惑かけちゃうでしょ笑？｣
私の言葉に一瞬、考える素振りを見せた高尾は、
言った。
｢俺が、するよ。｣
私の目を見てそう言った高尾。
いつものおちゃらけた感じじゃなくて、
勝負所で1番役に立つ時の真剣な顔をしていた。
｢Aちゃんのことだから、
絶対、誰にも病気のこと言わないっしょ？
さっきのこともあるし、Aちゃん1人にするのは
怖い。俺が面倒見る。
宮地サンたちに会うのも、
コンサートに行くのも、
荷物整理するのも、手伝う。
俺、Aちゃんの病気治したり……出来ないから、
だから、せめて、、そばにいさせて欲しい。｣
お願い、Aちゃん。と言う高尾は、
悲しそうで、辛そうで、なにより悔しそうだった。
｢……迷惑、かけるよ？｣
私の一言に、高尾は、
｢任せとけって！｣
そう胸を張って言った。
迷惑かけたくない。という思いより、
誰かのそばにいたい。と思ってしまった。
久しぶりに、自分の弱さを痛感した。
｢他にしたいこと、ない？｣
死ぬまでにしたいこと。
あと2つ、ある。
．
｢真ちゃんに、、会いたい。
……そして、
今度こそ真ちゃんを、諦めたい。｣
『片想い日記』を読んで、
まだ好きだと、気づいてしまったから。
．
最後に、真ちゃんを諦めたい。
．
ちなみに高尾は、
秀徳の時から私が真ちゃんを好きな事を知っている｡
なんか、顔に出てたらしくてバレた笑笑
問い詰められて白状して以来、
私の叶わない恋を高尾は応援してくれている。
あと、秀徳バスケ部の仲良い人は全員知っている。
もちろん猿かもしれない真ちゃん以外。
やっぱり、顔に出てたらしい…
そんなに出てたかなぁ？
・
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作者名：aoihalu | 作成日時：2018年12月14日 19時
