41話 ページ46
五「A、着いたよ。」
「うん。ありがとう。」
五「大丈夫?部屋まで送ってこうか?」
「へーきへーき。私そこまで、か弱くないし……っ!」
私は履きなれたヒールだったから大丈夫だろうと思っていたのに、バランスを崩してしまった。
五「おっと!酔ったAは危なっかしいな〜。素直に送ってって言えばいいのに。」
とっさに悟が支えてくれたみたいで、私は悟に寄りかかる体制になった。
「ごめん。重いよね。」
五「重くないよ。全く、素直なのかそうじゃないのか分かんないね。」
結局、悟は部屋の前まで送っていくよと言って、私を支えながら一緒に歩いてくれた。私は酔ってるとはいえ、悟に申し訳ないという気持ちと、醜態を晒してしまったと複雑な気持ちだった。
五「じゃ、部屋入ってからも気を付けなよ。ぶっ倒れたりしそうで怖いよ。」
「それは、たぶん大丈夫。」
五「そう。それじゃ、おやすみ。」
悟は私におやすみと言うと、大きな手を私の頭の上においた。
その手から温かさが伝わってきて、少し眠くなった。
悟が頭から手を離すと、温かさが消え、どこか寂しいような、名残惜しいような感覚になった。
ギュッ
五「?」
私は、振り返って帰ろうとしていた悟の服を、黙ってつかんだ。
五「A、どうかした?具合悪い?」
「ううん…まだ…一緒にいたい。」
悟は少し目を見開いて、驚いているようだった。私が普段なら言わないことを次々と口にするからだろう。
五「……誘ってる?」
「わかんない。」
五「はあ、僕今すごく我慢してる。目の前に好きな子がいて、すごく無防備でさ、今すぐにでも僕のになったらいいのにって思うよ。でも、いくら好きな子だからって、酔ってるところを襲おうなんて思う男じゃないよ。」
「…知ってる。悟は優しいもん。」
五「じゃあ、僕にどうして欲しいの?」
そうだ。私は悟にどうして欲しいんだろう。
今の状況は、お互い好きだって暴露してるようなものだろう。私は酔ってはいるけど意識はあるし。
「…ハグして…ほしい。」
五「・・・。」
悟はじーっと私の方を見ている。ハグしてほしいなんてアラサーの女が言ってもいいのだろうか。
今日の私はどうかしている。自分で言っておきながら、段々恥ずかしくなってきた。
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ししゃも(プロフ) - 米毎さん» オレンジジュースどうぞおおお!!!面白いコメントありがとうございます!笑 更新頑張りますね!! (2020年11月18日 23時) (レス) id: 8991fe48ac (このIDを非表示/違反報告)
米毎 - うォォォォォォォォ!!!!可愛い可愛い!夢主ちゃんが可愛すぎる!カーッ!!宴だ!オレンジジュース持ってきてください!本当に面白いです!続きが楽しみすぎます!更新待ってます! (2020年11月16日 20時) (レス) id: 2a7a7ec279 (このIDを非表示/違反報告)
ししゃも(プロフ) - 桜餅ちゃんさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえてすごく嬉しいです!!更新頑張りますね(^^) (2020年11月10日 0時) (レス) id: 8991fe48ac (このIDを非表示/違反報告)
桜餅ちゃん - 夢主ちゃんめっちゃ可愛い!!五条先生推しからしたら本当神作品です!更新頑張って下さい! (2020年11月9日 18時) (レス) id: bb817d3613 (このIDを非表示/違反報告)
ししゃも(プロフ) - りりりのりーさん» こんにちは!本当ですか!?!ありがとうございます!。°(°´∀`°)°。めちゃくちゃ嬉しいです…更新頑張りますね! (2020年10月30日 20時) (レス) id: eb51039bf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ししゃも | 作成日時:2020年10月28日 19時