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『……あはは』
曖昧に笑ってみせると、ソフィーさんが歩み寄ってくる。
彼女は私の腕をとって立ち上がらせると、そのままシンクへと誘導した。
『え……？』
彼女はくすりと笑みを零して、それからジェイスさんとの会話を再開してしまった。
心なしか、先程よりもゆったりと速度を落とした口調である気がする。
『(……なんて出来た女性なの)』
感動しながら、蛇口をひねる。触れた水の冷たさを感じつつ、私はいそいそと皿洗いを始めた。
横で繰り広げられる会話を、一つ残らず繰り返しながら。
そんな奇妙な状況が、ひどく心地良く思えた。
その後、リーンちゃんを起こすよう仰せつかった私は、幼い身体を揺り起こす。
目を擦りこちらを見上げた彼女は、ふにゃりと心を鷲掴みにする笑顔を浮かべた。や、やりおる……！
手を繋いで戻ってきた私たちを見て、ジェイスさんとソフィーさんもまた笑みを深めたのだった。
朝食を終えた後は、リーンちゃんに引っ張られて庭へ出た。
どうやら彼女の朝の日課らしく、庭先に植えた花々の水やりをするらしい。
幼い彼女のために手作りした、小さめのピンク色のジョウロ。
外の水道から水を溜め、この村の歌だろうか、楽しそうに口ずさみながら花に水をやっている。
時折花を指差しては、私に何かを一生懸命に教えてくれた。どうやら花に名前を付けているらしい。
彼女が紡ぐ単語と花を結び付けながら繰り返すと、リーンちゃんはさらに目を輝かせていた。
「ん、A！」
『え？ これ、私？』
他の花に埋もれるように、ようやっと蕾をつけたらしい花。リーンちゃんはそれを指して、私の名を呼んだ。
なるほど。花壇の中の新入りに、光栄にも私の名前を授けてくれるようだ。
そっちのAは、どんな風に咲くだろう。想像していると、ジョウロの水がふと途切れた。
再び水を汲もうと走っていくリーンちゃんを見送るが、はしゃいでいたのが裏目に出たか、強くひねり過ぎた蛇口から勢いよく水がふき出した。
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感情末期 - コメント失礼しますー!巡回いってきます!!大好きです!!いってきます! (2021年10月5日 22時) (
レス) id: c7b86b77aa (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます。頑張って組み込んだコメディ部分、ウケたようで嬉しいです(笑) 応援ありがとうございます。 (2020年5月21日 2時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - コメント失礼します！ふにんきのところ笑っいました。更新頑張ってください！応援してます！ (2020年5月21日 0時) (レス) id: a5a3967b27 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 櫻華さん» コメントありがとうございます。これからもご満足いただける作品になるよう頑張ります！このご時世なので、櫻華さんも重々ご自愛くださいね。 (2020年5月20日 22時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
櫻華(プロフ) - 初コメ失礼します！リアリティのあるお話で、とてもハマりました！お身体に気をつけて、これからも更新頑張ってください！ (2020年5月20日 16時) (レス) id: e0d01a51ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年4月24日 1時
