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『リーンちゃん！』
きゃあ、と尻餅をついた彼女は、びしょ濡れになった顔を拭いながら、しかし楽しそうに笑っていた。
『……ふはっ、濡れちゃったねぇ』
濡れた前髪がおでこに貼りついている。それを払いのけつつ袖で拭ってやると、ふと誰かの足が視界に入った。
顔を上げて、間抜けにも驚き呆けてしまう。
『ショ、ショッピさん……！』
「こんにちは。仲良く、なったみたいですね」
『こ、こんにちは、いつからそこに』
私に気付かれてから、彼――ショッピさんは初めてこちらに歩み寄ってきた。気付いたリーンちゃんが、彼に駆け寄る。
リーンちゃんを抱き上げた彼は、昨日とは違いラフな格好で、頭には紫色のヘルメットを被っており、それがよく似合っていた。
「少し前から。リーンも懐いてるみたい、良かったです」
声をかけてくれれば、と言えば、楽しそうだったので、と返された。
『お迎え、ありがとうございます。今日はどちらに？』
「あぁ……」
ショッピさんがリーンちゃんに二言三言を言い含めると、彼女は私に手を振ってから家の中へ引っ込んだ。
「今日はまず、グルッペンさんの家、行きます」
『え』
「村の代表者、いっぱい居ます。少しずつ紹介する、と」
『なるほど』
彼の言う"村の代表者"とはおそらく、一昨日の歓迎の席や、昨日の誕生の儀にも参加していた男性陣のことだろう。
確か十人以上いたと思うが、私が認識しているのはショッピさんやグルッペンさんを含めても四人だけだ。
今日はどんな人が来るんだろう。
一人考え込んでいると、ショッピさんがくるりと振り返って、一言。
「……それ、似合ってる、です」
『え――』
私は今、ソフィーさんから借りた村のワンピースを着ていた。
彼がそれのことを言ったのだと気付いたときには、すでにショッピさんは前を向いていて。
『ありがとう、ございます……』
――この人、ちょっと危険だわ……！
クールに澄ましてるクセして、さらりと粋なことを言ってのける。
こうやって女を油断させるのね。用心するのよ、A。
ぐっと口角に力を入れて、緩みそうになるのを必死に堪えた。
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感情末期 - コメント失礼しますー!巡回いってきます!!大好きです!!いってきます! (2021年10月5日 22時) (
レス) id: c7b86b77aa (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます。頑張って組み込んだコメディ部分、ウケたようで嬉しいです(笑) 応援ありがとうございます。 (2020年5月21日 2時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - コメント失礼します！ふにんきのところ笑っいました。更新頑張ってください！応援してます！ (2020年5月21日 0時) (レス) id: a5a3967b27 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 櫻華さん» コメントありがとうございます。これからもご満足いただける作品になるよう頑張ります！このご時世なので、櫻華さんも重々ご自愛くださいね。 (2020年5月20日 22時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
櫻華(プロフ) - 初コメ失礼します！リアリティのあるお話で、とてもハマりました！お身体に気をつけて、これからも更新頑張ってください！ (2020年5月20日 16時) (レス) id: e0d01a51ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年4月24日 1時
