＊知らない景色 4＊ ページ28
＊
だけど、屋敷には村と変わらない臭いが充満していた。
慣れてしまった鉄の匂い。
そして、広がる赤。
ゆっくりと進むAの足元には、絶えることなく死体が転がっていた。
そして、一つの死体の前でAは止まった。
「レム……？」
呼びかけても彼女は動かない。
腕を一本失くした青髪の少女は、返事をしない。
息はしてない。
心臓は動いていない。
硬くなり始めているレムを無視して、Aは心配蘇生を試みる。
無駄だとわかっていても、Aは必死だった。
彼女の死を目の当たりにするのは初めてではない。
死に戻りに巻き込まれるAだからこそ、覚えているレムの死。
「あああぁあぁあぁぁぁあああぁ！！！！！」
だからといって、親しい人の死に慣れるわけではない。
前回はなかった外傷がAの憎悪を加速させる。
どこから出るのかわからない叫びが、静かな庭に広がる。
どうして、関係のない人をこうも惨いやり方で殺せるのか。
Aはレムの亡骸を背にして、屋敷へ向かう。
できるならレムをラムのもとへ連れて行きたい。
二人には同じ場所で眠っていて欲しい。
だけど、Aには向き合わなくてはいけない現実がある。
考えなくてもわかる。
最悪だ。
最悪だけが待っている。
進む先に希望はない。
未来もない。
ただ変えることのできない過去が、間に合わなかった事実が、Aを待っている。
逃げることはできる。
見ないふりを、知らないふりをして、不確かなものにすることはできる。
そうすれば、Aはこの世界に“もしかしたら”を残して生きることができる。
だが、いまのAは躊躇なく屋敷への道を歩いている。
少しの希望を糧に生きる自分を許せるわけがない。
憎しみを、殺意を、復讐心を満たせる対象はただ一つなのだ。
Aを止められる者はいない。
光のない瞳のAは、魔女教徒を滅することだけに生を注ぐ。
たとえ四肢がもがれようと、Aの復讐が終わらない。
Aが止まるとき、それは魔女教徒の殲滅を意味する。
すべてを失った。
見なくてもわかる。
だけど、決心が揺るがないように。
Aはエミリアがいるであろう屋敷へ足を踏み入れた。
そして、Aの意識は途切れた。
強い魔女の臭いが、Aを包んだ。
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零(プロフ) - 更新楽しみにしてます (2月22日 11時) (
レス) @page30 id: 679f50534d (このIDを非表示/違反報告)
綴(プロフ) - あられさん» コメントありがとうございます！サ終してしまいましたが、周りにプレイしている人はいなかったので同じ気持ちの日がいて嬉しいです。リクエストもありがとうございます！時間はかかってしまうかもしれませんが、必ず書かせていただきますのでよろしくお願いいたします！ (6月30日 19時) (レス) id: 4f48ae530b (このIDを非表示/違反報告)
あられ - 更新ありがとうございます！ 私もリゼロスは好きなキャラの色んなイラストを見ることができて嬉しかったので、サ終すごい悲しかったです。またリゼロを楽しめるゲームが出るといいですね。 番外編ですがラインハルトとの絡みが見たいです！ゆっくり待ってます！ (6月25日 1時) (レス) @page21 id: f37c856724 (このIDを非表示/違反報告)
綴(プロフ) - あられさん» コメントありがとうございます！更新を喜んでいただけて私も嬉しいです。誤字報告ありがとうございます。気づかなかったので本当にありがたいです。これからもよろしくお願い致します！ (2022年11月12日 23時) (レス) id: 8d067758b7 (このIDを非表示/違反報告)
あられ - 好きなリゼロ小説なので更新されていてとても嬉しいです！17ページですが団長が待ちくたびれているが街くたびれているになっています。これからも応援してます！ (2022年11月12日 20時) (レス) @page17 id: ac6762bdac (このIDを非表示/違反報告)
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