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ep.25 ページ27

「…正直、悔しさ半分と怖さ半分ですね」


「ほぅ?」


「使えない奴だと判断されたから私は今ここにいるんだと思います。でも、現場で助けることができたであろう命を助けに行けないんだなと思うと悔しいですし、怖いです」


「そうか」



私の回答に一言そう返したピクシス司令は、壁外の方を向いてこう言った。



「ちなみにの、お主を外すように言ったのはハンジだそうだ」


「ハンジさんが、ですか?」


「リヴァイだけでなくエルヴィンにも頼み込んだそうじゃ。理由はわからんがのぉ」



そう言って、懐から丸い容器を取り出したピクシス司令はそれを口に運んだ。

私が眺めていると、ピクシス司令はおもむろにそれを差し出した。



「お主も飲むか?」


「水なら、支給されたものが…」


「水ではないさ。試しに飲んでみるといい」


「…では、頂戴します」



渡された容器を眺めた後、ぐっと飲んでみた。

すると舌と喉を、焼けるような熱さが刺激した。



「っ、これ、お酒…」


「何じゃ、お主もダメか」


「へ?お主も?」


「以前、訓練兵だったエレン・イェーガーにも飲ませたことがあったが、吹いてしまってな」


「それは…」



15歳だぞ。

私の世界じゃ中3か高1だ。

甘いカクテルならまだしも、こんな強いお酒は刺激が過ぎる。

というか大人でも勤務中に呑む人なんかいないっつーの。



「普段から、…飲まれているのですか」


「ああ、好きでな。ついの。怒られてしまうがな」


(あ、ちゃんと怒ってくれる人がいるんだ)



こんなにも陽気な司令官を相手にするってのは苦労するだろうなぁと、エミリはその相手に同情したのだった。

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作者名: | 作成日時:2019年2月7日 17時

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