ep.19 ページ21
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３日前――。
「エルヴィン！」
召集後、部屋から出たエルヴィンを追ったハンジ。
呼ばれたエルヴィンは歩きを止め、振り向く。
「なんだハンジ」
(怒っている。…いや、焦っているのか？)
近づいてくるハンジを見てそう感じたエルヴィン。
確かに急な調査予告ではあったが、それだけのせいではないように思えた。
目の前で止まったハンジは、エルヴィンの考えていなかったことを言い出した。
「今回の壁外調査からエミリを外すよう、リヴァイに言ってくれないかな？」
「なぜ？」
エミリ・ヴァルト。
彼女はリヴァイと同等の力を持ち合わせた人物だ。
彼女一人欠けるだけでもかなりの戦力が失われる。
それはハンジも分かっているはずだ。
素直に理由を聞くエルヴィン。
「エミリの様子がおかしいんだ。このまま壁外へ行ったら、たぶんあの子は死ぬ」
「どうしてそう思う？」
「なんとなく。…もしエミリが死んだら調査兵団にとって大打撃だ。それはエルヴィンも避けたいだろ？」
確かに、彼女を失うのは惜しい。
しかし惜しいと思わせるほど彼女の戦力はずば抜けているのだ。
そう簡単に死ぬとは思えない。
なんとなく、とハンジは答えたがそう思う根拠があるのだろう。
ただそれを確信に変えられていないだけで。
ハンジがここまで思うなら聞いてやりたいとは思う、…が。
「私ではなくリヴァイに直接言えばいい。エミリはリヴァイの部下だ」
「そうだけど！私が言うよりエルヴィンから命令する形で言ってくれたほうがリヴァイも了承してくれると思うんだよ。だから」
「リヴァイだって私の言うことを全て聞き入れるわけじゃない。自分で選んでいる」
「それは、そうだけど…」
「駄目元でも言ってみるといい。きっと、リヴァイも何か感じているだろうからな」
仲の良いハンジ以上に彼女を見ているリヴァイなら必ず、君の納得する答えをくれるはずだ。
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作者名：勾 | 作成日時：2019年2月7日 17時
