衣更真緒. 雨の日の本音 ページ34
私「あれ、今日雨降るなんて言ってたっけ」
聞いてない、気象予報士よ。傘とか持ってきてないよ〜…
真緒「お、雨か…」
私「真緒くん」
私同様空を見上げる真緒くん。あぁ、真緒くんも傘忘れたんだね?
しかし、
鞄からいそいそと折りたたみ傘を取り出す真緒くん。
私「あ、傘、持ってるんだ…」
真緒「俺はいつも鞄に入れてるんだ。…A、忘れたのか?」
私「うん…。ダッシュで帰るか」
真緒「風邪引くぞ?ほら、家近いし一緒に帰ろうぜ」
気づけば私の頭の上には傘が、それから隣には真緒くんが。
あ、これって…相合傘ってやつ?
真緒「雨強くなってきたな…この傘小さくてごめんな、肩濡れてないか?」
私「いや、私は大丈夫…真緒くんこそ、肩濡れてるじゃん」
真緒「俺のことは気にすんなって」
私「入れて貰ってるのに悪いよ…」
真緒「いいんだよ、好きで入れてるんだから」
優しさで言ってくれてるんだろうけど、どきっとしてしまう。
雨音もろくに耳に入ってこない。
私「じゃあせめて、私が傘持つよ」
真緒「いや、俺の傘だしいいって…」
と、手が重なる。
自分でやったことだけど、恥ずかしい…
真緒「A、さっきから心臓うるさいぞ?」
えっ、嘘?聞こえてたの?
私「ち、違うよ、これは…」
すると真緒くんがくすっと笑う。
真緒「まさか、心臓の音なんて聞こえる訳ないだろ」
私「からかったの!?酷い!」
めちゃくちゃ恥ずかしいよ…
突然、笑っていた真緒くんが真剣な顔になる。
真緒「そんなに顔赤くしてるってことは、期待していいのか?」
正面から見つめられて、言葉に詰まる。
真緒「好きでもない男と、相合傘なんかそもそもしないと思うんだけど…
それとも、全然そういう目で見てないってことか?」
私「…なんでそんなこと聞くの?」
真緒「なんでとかないだろ…」
急に気まずくなって言葉を濁す真緒くん。
真緒「ごめんA、やっぱ忘れてく…」
バサッ
真緒くんが傘を落とす。
顔を背けようとした真緒くんの腕を、私が引っ張ったから、驚いたんだろう。
私「忘れられる訳ないじゃん…
私好きでもない人と相合傘とかしないよ」
真緒「それって…」
私「…うん。ほら、濡れちゃうよ、傘さそう」
真緒「そうだな」
私は傘を拾い、差し出した。
真緒くんは笑って、私の手を包み込んだ…。
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公務員Z(プロフ) - 十六夜 桜さん» リクエストありがとうございました! (2020年3月21日 19時) (レス) id: e015366fef (このIDを非表示/違反報告)
公務員Z(プロフ) - 貧血のアニメオタクさん» 喜んでいただけてうれしいです(*≧∀≦*) (2020年3月21日 19時) (レス) id: e015366fef (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 桜(プロフ) - 公務員Zさん» うわぁぁあい!リクエストしてよかったァァ! (2020年3月21日 17時) (レス) id: 12d90357d6 (このIDを非表示/違反報告)
貧血のアニメオタク(プロフ) - や、やばばばば声優…中の人…///か、か、か、かじぃくぅうんんんん!!すごいです!(語彙力)好きです、ありがとう…ありがとうございますぅ!!! (2020年3月20日 22時) (レス) id: 1d87ec36c2 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 桜(プロフ) - 公務員Zさん» 大丈夫です!トリスタ待ってます (2020年3月9日 18時) (レス) id: 12d90357d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:公務員Z | 作成日時:2020年1月17日 22時