私得な短編集[あんスタ]リクエスト募集中！！！ (ページ29)

今日:11 hit、昨日:74 hit、合計:115,548 hit

朔間零. 別に好きじゃないページ29

私「…いないか？」

誰もいない…よし、大丈夫みたいだ。

私「久々に思いっきりギターを弾ける！
～♪」

軽音部の部室の中、一人で上機嫌に歌っていると

零「今日は元気じゃのう、いい声じゃ…」

私「なっ、なんでいるの！？」

確認したのに！気配もなかったじゃん！！

零「さっきまで寝ておったんじゃけど、嬢ちゃんの歌が聞こえてきての」

私「わ、忘れて！忘れてよぉ馬鹿ぁ！」

零「最近嬢ちゃんは口が悪いの」

仕方ないだろう。
なんかイライラするし苦手なんだよこの人は。

私「うぅ～っ、私まだギター弾きたいから！出てってよ！」

零「いいではないか、我輩もっと聞きたい」

私「やーだ、絶対聞かせない！」

零「わんこ並にうるさいのぅ…耳に響くわい」

やれやれと首を振る零先輩

私「私みたいな素人の歌聴いて…馬鹿にする気でしょ」

零「まさか、そんなに意地悪ではない。
確かに素人かもしれんが気持ちがこもっていていい歌じゃった」

私「お願いだから忘れてってばあ…」

零「くっくっく、そんなに恥ずかしかったのか？
UNDEADの曲の、それも我輩のソロパートの所から歌っとったのが？」

私「…」

え？いや確かに途中から歌ったけど…

私「やぁぁぁぁ、違う！違うんです！！」

やだやだやだ、恥ずかしいんだけど！！
なんでそんなことばっかりちゃんと聞いてるんだよ、この爺さん！

零「まさか無意識じゃったのか？我輩も愛されておるの、くっくっく…」

私「誰があんたなんて愛するかってーの！」

零「我輩は知っとるんじゃよ？いつもおぬしが我輩の歌声に聞き惚れておることを…」

私「気のせいだ！違う！」

零「まぁまぁ、ごまかさんでもいいんじゃよ。本当に嬢ちゃんは我輩が好きじゃのう」

私「好きぃ！？いい加減にしてよ、もう！」

零「まぁまぁ、落ち着け嬢ちゃん♪」

いきなり頬を掴まれ、にっと笑いかけられる。
くそ、なんていい笑顔なんだ…！

私「は、離せ！離してください！」

零「顔が熱いの、どんどん赤くなっていっとる…」

整った顔がどんどん間近に来る。もう鼻がくっつきそう…

私「や、めっ…」

零先輩はぎりぎりの距離で止まると、腹を抱えて笑いだした。

零「可愛いのう！なんてうぶなんじゃ、嬢ちゃんは！」

私「～っ！」

もう何も言い返せないくらい恥ずかしいのに、ちょっと嬉しいんだけど…
なんで嬉しいの？私おかしいの？本当死にそう…

零「そんな可愛い顔して…襲ってやろうか？」

それは反則…