【東京喰種】適当“半喰種”は美食家に狙われている。-serious story-《2》

＃49 [月山] ページ1

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あと何回、君の名前を呼べばいい…？

喰べれなくたっていい。

もう一緒に暮らせなくてもいい。


君を一目見たいんだ。


「……Aちゃん」


毛布の中で小さく呟いた時だった。

バタンと勢いよくドアが開く。
また使用人が入ってきたのだろう、と視線を向けると

「…！！」

肩で息をする少女が一人立っていた。

黒いジャケットにYシャツ。
長くなった髪の毛。

運動した後、まともに喋れなくなるそんな所……


「変わらないね…」


大粒の涙が僕の手を濡らす。


本当は、すぐに名前を呼びたかった。

「大好きだ」と伝えたかった。


でも……


「僕に資格があるだろうか……」


愛する人を捜し出すことができなかった僕に、君を抱く資格が…

「え……？」

頭に温かい感触。

足りない身長を必死に隠しながら頭を撫でる君。

「身長足りなくなんかありませんよ…！月山さん、今寝てるから撫でやすいです…！！」

「Aちゃん…」

強がっちゃう所も変わらない。


「僕は……






まだ…君を好きでいてもいい……？」



返事を聞くのが怖くて、小さな声で聞いたんだ。

君のことだから思ってること正直に言うんだろうな。


「駄目です」


「……そっか…」


「“好き”じゃ足りません」

「！」

「今までの分、いーっぱい愛してください！！



私はそれ以上に月山さんを愛しますから！」




子供のように笑って僕の手を握る。


その小さな手から、

僕には幸せすぎるほどの愛が溢れていたことを





ずっと忘れないよ＿＿＿＿









「ありがとう……」

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