秋元詩郎に弱みを握られる女の子の話

13話 ページ13

Aの格好は白パーカーワンピース下はショートパンツ、上には黒のジャケットを羽織っている｡
靴は黒の編み上げショートブーツ
この暑すぎず、寒すぎずの季節には丁度いいかもしれないが、
いくら下に履いているとはいえ、ショートパンツなので、
足がガッツリ出ていてかなり恥ずかしい。
髪は編み込みのハーフアップにしてもらった｡


数時間前───

唯の自宅にて




『Aがオシャレな格好を教えて欲しいなんて珍しい事もあるのね〜』

Aの髪を編みながら呟く唯｡

『えっ…なになに…⁉︎もしかして彼氏できた！？』

「違うよ…！たまたまそういう気分だっただけで…」

『ふ〜ん？まぁそういう事にしといてあげる！
はい、できたよ｡』

「わ…すご…流石だね」

『ほら！ちょっと立って立って！全身見せて！』

「ね、ねぇやっぱり短くない…？コレ…足こんな出るし…」


『何言ってんの〜！それくらい普通だよ〜！
うん！よく似合ってる、かわいいよA！』

「そう〜…？なら良いけど…」

『ほら、そろそろ時間だよ、ケータイとか財布持った？化粧直しの道具とか、』


「お母さんか…持ったよ…じゃあ行ってくるから…」

『行ってらしゃ〜い〜帰ったらデートの感想聞かせてね〜』



そして今に至る


『よく似合ってるよ〜可愛い」

その言葉でAは顔を赤くする｡
(男の人に可愛いって言われたの初めてかも…恥ずかしい…けど、嬉しい…)

「あ…ありがとうございます…」

『あはは、じゃ行こっか』

そう言い秋元はAの手を取り指を絡めてくる｡
つまり恋人繋ぎの状態。

「！…あ、秋元さん……！あの…手…」

『ん〜？良いじゃん〜デートっぽくて』

でもAは何故か嫌な気はしなかった｡

(まさか…私…秋元さんが…)

『っにしても、大事なもの落としたのに数ヶ月
気づかないとか、マジウケるんだけど〜笑笑』

前言撤回、やっぱり気のせいだった｡


『腹減ったから、飯いこ〜何食べたい？好きなの食べさせてあげるよ〜俺奢るし』


(え…)

Aは心底驚いた｡デートなどと言うから

財布として扱われるかと思っていた。


(もしかして…！また何か弱みを握ろうとしてるとか…⁉︎)

うーんと唸るAに秋元は話しかける｡

『あはは、何食べたいかで、そんなに悩むの？』

「あっ…いえ！そういう訳じゃ…えっ…と、その…なんでも良いです…」


『そ？なら俺がいつも行くとこでいっか」

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