秋元詩郎に弱みを握られる女の子の話

11話 ページ11

離れた距離を詰めようと、近づいてくる秋元｡
そして後退りするA｡

『そう逃げないでよ、やっと見つけたのに』

後退りしても、ジリジリと距離を詰めてくる｡
すると、Aはある事に気づく｡
「なんで…」

『ん？』

「なんで…私の家、知ってるんですか…？」

『ん〜？アハハ、さぁ？なんでだろーね』

適当にはぐらかされる｡Aはムッとする。

「答えてください…！」

『わかったわかった、教えるからそう怒んないでよ』

すると秋元はポケットにから何かを取り出す｡

『これでわかったんだ〜』

秋元が取り出したのは私の部屋のスペアキーだった｡
管理人さんから貰ったものだ｡
複数のマンションの管理をしている管理人さんは、間違えない様に、スペアキーにはマンション名が書いてある札をつけている。

恐らくはスペアキーに付いている、
札に書いてあるマンション名で特定したのだろう。
だが、いつ落としたのだろう、

『いつ落としたかって？あの日の事覚えてるよね？
あの時に君が警察との電話に夢中で落としたの気づいてなかったよ』

この男は心を読めるのだろうか、
だがそれよりも重要なのは
あの男にいつまでもスペアキーを持たせている事だ｡

この数ヶ月間、あの男が、ずっとスペアキーを
持っていたと想像すると、頭が痛くなりそうだ｡

だが幸いマンション名は書いてあっても部屋番号までは書いてない。
そこは安心して良いだろう。でも、
いずれはバレかねないので、どうしたものかと考える、

『返してほしい？返してほしいでしょ？』

「っ…返してほしいです」

この胡散臭いこの男の事だ、ただでは返してくれないだろう｡

『じゃ〜、返してあげる代わりに…』



















『俺とデートして♡』

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