留年組のキスシーンとその先【朔間零】 (ページ9)

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２度目の３年生。

ぼーっと後輩たちと同じになった教室から窓ガラスを眺めた。

「遊凛先輩！朔間先輩見てないですか？」
「ん？零こそスバルたちのことさがしてたけど。」

キラキラな後輩たちに手を振ると、傍に来たスバルが俺の首筋に触れた。

ビクリ。

「な、何。」
「痛そう、大丈夫ですか？」
「……だ、大丈夫だよ。」

冷静保つの無理ある。

真後ろに居るあんずちゃんと北斗顔真っ赤に染めちゃってるし。

「ならよかったです！」

スバルの綺麗な笑顔にドキッとする。

なんか悪いことした気分だ。

あんずちゃんに至っては視線合わせてくれないしね。

どんな気分で零のこと探してんだろこの子。

そんなことを考えたけれどマネージャーの迎えが来たから、余計なことを考えるのはやめた。

車に乗り込む数秒前。

零とあんずちゃんとスバルと北斗と真。

探し人の零は見つかったらしい。

視線をチラリと向けたけれど零は俺に気がつかなかった。

楽しそうに笑う零。

「嬢ちゃんはおかしな子じゃのう。」

なんなんだよその話し方。

ズキリ。

複雑。心臓のあたりが変。

なんだろね。何に嫉妬してんのかな。

ドラマのセリフがうまく頭に入ってこない。

いつも通りの撮影現場。

なのに演技はめちゃくちゃに不調だった。

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