136 夕飯 ページ18
なるほど、夕飯の支度か。確かにお腹空いたなー。
私は今日の献立を匂いを手掛かりに考えながら、机を拭く。
そういえば、波の国は今貧しいはずなのに、私達分のご飯も作ってくれてなんだか申し訳ないなー、なんて思っていると玄関の方から戸が開く音がした。
A「おっ!お疲れ様!少年たち!」
今日もまた新しく傷を作って帰ってきたナルトとサスケ。ガイ先生じゃないけど、青春っていう言葉がよく似合うよ君らは。
ナルト「あー!!Aってばいつの間に帰ってたんだよ?!」
A「まぁねー。さ、あんた達も手伝って!」
私もサクラと同じように、それぞれにお盆を渡す。
いつも一生懸命で、忍者になりたがっている2人だが、お盆をしっかり持ってツナミさんに指示されているのを見ると、この子達に家族がいたら、こんな感じだったのかなと少し悲しくなったけど、同時に微笑ましかった。表面上は同級生で負けたら悔しいけど、弟が出来たみたいで実は嬉しかったりもする。
「「「「いただきまーす!」」」」
ツナミ「いっぱい食べなさいね!」
途中、ナルトとサスケが吐くなんていう事があったものの今日もまたみんなでツナミさんの美味しいご飯を頂いた。
A「あー!満腹満腹!」
お腹もいっぱいになり、ゆっくりお茶でもすすっていると、サクラがフラッと立ち上がり口を開いた。
サクラ「あの〜なんで破れた写真なんか飾ってるんですか?」
サクラが壁に掛かった写真について触れると空気が少しピリついた。イナリ君を見ると拳をギュッと握り、黙って俯いている。
ツナミ「…夫よ。」
タズナ「……かつて町の英雄と呼ばれた男じゃ。」
我慢できなくなったのかそこまで聞くと、イナリ君はガタっと立ち上がり、自分の部屋へと帰っていってしまった。
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わんだ - 封印の儀を乗り越えて帰ってくる日を待ってます! (2021年11月10日 5時) (レス) @page29 id: 73a30926fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フェイル | 作成日時:2020年3月31日 15時