134 年頃の女の子 ページ16
結局11時を過ぎる頃にはサクラとナルトは眠ってしまって、カカシ先生に抱えられ布団まで運ばれた。
サスケともおやすみを言い合い、私は隣の部屋へと向かった。
流石の私も疲れたな…と思いながら、綺麗に並べられている布団の片方に入る。
カカシ「よいしょっ。」
規則正しい寝息を立てているサクラをそおっとおろすカカシ先生を見て、私は笑ってしまった。
A「ムフフフ。」
カカシ「何よ、急にニヤけて。」
A「いやー、だって先生めっちゃ緊張してるんですもん。」
少し茶化すと困ったように眉毛を潜め、座り込んだ先生。
カカシ「はいはい、緊張してますヨ。年頃の女の子の接し方なんて分からないですから。」
その意外な返答に思わずギョッとしてしまった。
カカシ「え、ナニ?」
A「せ、先生、私が居候始めた時もそう思ってたんすか?!」
思わずデカい声を上げると、バカうるさいと言われ声を潜めた。
カカシ「ま、そりゃね。ただ…」
ただ?
カカシ「…お前の場合、抱えてる謎が多すぎてそっちの方が接し方に困ったってゆーかねぇ……。」
A「ミステリアスな女は魅力的だって言うじゃないですかー。」
カカシ「はーい、お前も早く寝ろよ。おやすみ。」
綺麗にスルー。悔しい。
私は立ち上がる先生に思いっきり変顔をかましてやると、頭をぐしゃぐしゃと撫でられた。
カカシ「じゃあな。」
そう言い残し、カカシ先生は扉をゆっくり閉めると行ってしまった。
ほんっとなんなんだあの人。他人の心を揺さぶるだけ揺さぶっといて。
部屋には自分と眠るサクラしかいないはずなのに、何故だか恥ずかしくなって、布団を顔まで思いっきり被った。
班のみんなとこうしてお泊りして、先生とはいつも同じ屋根の下で暮らしているけどそれとは違ったワクワクがあって、案外5歳下とも遊べるしな…とも思った。
もしかすると、今夜が一番幸せかもしれないと、隣ですっかり寝入ってしまっているサクラの顔を見ながら、いつのまにか眠りについていた。
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わんだ - 封印の儀を乗り越えて帰ってくる日を待ってます! (2021年11月10日 5時) (レス) @page29 id: 73a30926fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フェイル | 作成日時:2020年3月31日 15時