＊86話＊ ページ22
「よかった、早くに目が覚めたんだね。体は平気？」
そういって顔をのぞかせたのはハンジで、少し疲れた表情をしていた。
『問題ねえ』
「問題しかねえだろうが」
『……うるさい。てめえがそれを言うか』
あたしとリヴァイの会話を聞いて笑うハンジが、そうそう、と思い出したように言った。
「このあと会議があるんだけど、来られそうなら出てくれないかな？」
「おい、こいつの怪我はまだ、」
『分かった、行こう』
「……てめえ」
どうしても安静にしておいてほしい様子のリヴァイが、機嫌の悪そうに目を細める。確かにあたしの体はボロボロだ、けれど会議に出たって傷口が開くこともないだろう。
「助かるよ。いつでもいいから、来られるタイミングで来てね」
『ああ』
あたしの返事を確認して、ハンジはすぐに部屋をあとにした。
「なぜ会議に出ることを了承した」
ハンジが出て行ってすぐ、リヴァイがそう聞いた。
『別に、たいした理由はねえよ』
「嘘をつくんじゃねえ」
ギシ、と軋んだ音を立てて、リヴァイがベッドへ片膝を乗せた。胸倉を掴まれて、彼の方へ引き寄せられる。
鼻と鼻が触れ合う寸前のところまで顔を近づけたリヴァイの髪が、あたしの頬を流れる。
襟元を掴まれて逃げられないので、目だけはなんとかそらすことにした。
「別の理由があるはずだ」
『……なぜそう思う』
「てめえは昔から、何か後ろめたいことがあると俺と目を合わせねえだろうが」
確かに、今だってリヴァイの目を見られない。
……クソ、やはり8年も一緒にいれば、たいていのことは見抜かれるのか。
『……ダメなんだ、じっとしてると、全部思い出す』
「は、？」
.
そう言ったAの声は、何かを嘲るような言い様だった。その何かがA自身であると、俺は知っていた。
『何かで気を紛らさねえと、脳裏に鮮明に蘇ってくるんだよ。……あいつらの死に際の顔も、声も、全部だ』
苦虫を噛み潰したように顔をしかめたAが、自由の効く左手で、シーツを握りしめていた。
……そういえばこいつは、壁外調査のあとは決まって忙しく働いていた。会議や書類整理だけでは飽き足らず、遺品の返却や馬の世話まで。
まるで、何かから逃れるように。
それが分かって、俺はAの襟元から手を離した。そのまま身を引こうとしたが、それは叶わなかった。
『……待てよ』
ぐい、と。Aに腕を引かれた。
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moe(プロフ) - すごいおもしろいです！これからも楽しみにしてます！ (2018年1月3日 16時) (
レス) id: 0b0aeb7aa1 (このIDを非表示/違反報告)
すす - 今日見終わったところです！！続き楽しみに待ってます!頑張ってください!! (2017年6月26日 17時) (レス) id: cf9dcfd629 (このIDを非表示/違反報告)
奏照(プロフ) - リヴァイとエルヴィン団長がカッコよすぎて、もう、ふぉぉぉぉってなりました。続きを楽しみにしています。頑張ってください！ (2017年6月13日 22時) (レス) id: ba2980cdc4 (このIDを非表示/違反報告)
ぐれーとまっくすな手毬。(プロフ) - 小雪さん» コメントありがとうございます！更新・返信が遅くなって申し訳ないです。かっこよく書けているでしょうか！？鼻血が出るほどならば光栄です（笑）応援感謝します、頑張りますね！！ (2017年6月9日 12時) (レス) id: 8cdc93238d (このIDを非表示/違反報告)
小雪(プロフ) - 早く続きが見たいです！リヴァイ兵長、カッコよすぎです〜(*￣ii￣)ﾊﾅｼﾞﾌﾞｫｫｫ頑張ってください！待ってます！ (2017年4月28日 15時) (レス) id: 95291f7930 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぐれーとまっくすな手毬。
| 作者ホームページ：＼(゜ロ＼)ココハドコ? (／ロ゜)／アタシハダアレ?
作成日時：2017年2月20日 23時
