7 ページ39
「さてと」
櫻井さんが仕切り直すように呟いた。
「これから熱が出たりするかもしれないから、しんどいようなら言って？ああ、だから、水分はしっかり取っててね？
相葉さん、見ててあげられる？」
あ、いや。それくらい自分で・・・
「弱ってる時ぐらい頼りなさいよ。にのと俺は裸になった仲じゃん。
翔ちゃん、オッケー。まっかせといて。」
「サンキュ。夕食は相葉ちゃんの分も運んでやるから。」
「あざっす。」
『裸になった仲』という相葉さんの言葉に、急に恥ずかしくなる。
あの時はあまり意識しなかったのに。相葉さんの顔がまともに見れず、布団を被った。
・
ひんやりとした感触で目が覚めた時には、すっかり日も落ちていて、相葉さんしかいなかった。
「あ、ちょうど良かった。お粥、まだ温かいよ？
ちょーっと熱が上がっちゃったんだよね。少しでいいから食べよっか。」
頷いて身体を起こそうとしたんだけど、重くてどうにもならない。
すると、背中に大きな手が触れた。
「体力落ちてるのに全力疾走したからね。身体がびっくりしてるのかもね？」
相葉さんはそう言いながらテキパキと介助してくれる。
はい、と口元にスプーンが差し出されたのを何口か啜る。
うまい。
こんなちゃんとしたの何日ぶりだろ。
だけど、すぐに限界がきた。
たっぷり残った椀を見て、それから相葉さんを見上げると、相葉さんの口角が上がる。
「勿体ないとか気にしなくていいからね。」
え？なんで？
「そりゃ、わかるよ。にのちゃんの事だもん。はい、水分はしっかり取ってね？」
ねえ、相葉さん？どうして急に「にのちゃん」なの？
今まで一度も・・・
そう言うと、相葉さんの顔が赤くなった。
「そーでもないんだけどね？あははは。」
相葉さんが笑う。
恐ろしい事に本人以外、つまりあの３人にはずっとにのちゃんと言ってたそうで。
「だって、二宮さんなんて他人行儀だし。にのちゃんって言ったらしっくりきたの。
でも、にのに「にのちゃん」って言ったら嫌われそうだから気を付けてたんだけど、バレちゃったね。
うひゃひゃ。
ほら、もういいでしょ？寝た寝た。」
横になった俺にきちんと布団を整えてくれて、更にポンポンと軽く叩く。
「じゃあ、俺はまたくるからね。」
うん。
素直に頷くと、相葉さんは何故か照れていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 270人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちえさん(プロフ) - ねこにゃんさん» ねこにゃん、コメントありがとう。確かにカービングって、聞かなくなりましたね、そういえば。にのあいラバーとしては、にのあいは仲良しじゃないと。2人並んでいるところを眺めたいですよね〜 (2021年9月7日 15時) (
レス) id: 3481c0175f (このIDを非表示/違反報告)
ねこにゃん(プロフ) - 更新お疲れ様でした。カービング！久しぶりに聴いたわ。潤くんそんな事もできるのね。すっかり仲良しのにのあい。二人で野球見に行けるようになるといいね〜。 (2021年9月7日 15時) (レス) id: 13f4972941 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - ねこにゃんさん» ねこにゃん、コメントありがとう。SHOのアドバイスもありがとうございます。にのあいの変化。これがねぇ、なかなか難しいのですが、そこはやっぱりにのあいなので。(笑)。ゆっくりお待ちいただければ・・・(笑) (2021年7月25日 18時) (レス) id: 3481c0175f (このIDを非表示/違反報告)
ねこにゃん(プロフ) - 新装オープンおめでとうございます♪大野荘シリーズ化ありがとうございます！二人の変化もこれからじっくり・・・ｲﾋﾋﾋ (2021年7月25日 17時) (レス) id: 13f4972941 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちえさん
| 作成日時：2021年7月17日 16時
