summer2-9 ページ31
『何？』
『お願いします、っていうんでしょう？ここにきてくれたんだから。』
『俺が？言うの？しょうちゃんじゃないくて？』
『なんで俺が言うの。カズの為に来てもらったんでしょ？』
『そうじゃないくてさ。マツモトさんはこれでいいのかって事。
ねえ、あなたは、いろいろわかってここに来たの？』
薄茶色の瞳でじっと見つめられる。
視線を降ろすと、白い包帯の先に真っ赤な指先が見えていた。
少し目も潤んでいるから、もしかして熱があるのかも。
体がきついんだなと感じた。
「あの、カズ・・・さん。どうぞ横になって休んでください。
私は、そのこちらの櫻井様につれて来られただけで、詳しい事情は何も知りません。」
『要件も言わずにつれてきたのかよ。』
『急いでたんだよ。ご紹介が遅れました。
私は櫻井翔。SHOカンパニーのＣＥＯです。数珠とかお守りで有名だけど知ってるかな？』
「オーナーは知ってました。でも私はあまり興味なかったので・・・すみません。松本です。」
『松本さん。この得体のしれないおっちゃんの事信じられんの？』
『”おっちゃん”は止めて。しょーさんって呼んで欲しい。』
『どうせ”衣食住保証します”って言われてるんでしょ？
そんなの嘘かもしれないじゃん。本気にしてんの？』
口を開けば、ぽんぽんぽんぽんたくさん言葉が飛び出すカズという人。
櫻井様と言い争いという漫才を繰り広げている間、俺は冷静に二人の様子を観察していた。
体がやっぱりキツイようで、やり取りの間に頭はどんどん枕へ沈んでいく。
一体何があったんだろう？指を使う仕事なのかな？職人さん？
煙に巻くような話し方をしてるから、本音をまっすぐに口にできるタイプじゃないんだろうなあ。
いくつだろう？すっきりと整った顔立ちと華奢な体。年下かな？
あんなに言い合えるなんて、いい関係なんだな。
「ふふっ」
声が漏れてしまって、二人が振り返る。
『？』
『どうしたの？』
「あ。ごめんなさい。なんだか羨ましくて。」
『は？』『何が？』
「あの。このお話、お受けします。」
狐につままれたような二人の表情。
こんな滅茶苦茶なシチュエーション、さっさと断っておかしくないのに、なぜだろう。
俺は話を受ける事を決めていた。
『えと、松本クン、本当にいいの？』
「はい。よろしくお願いします。」
そして、戸惑っていた。
このカズという人を守らなきゃという不思議な気持ちが湧いてくることに。
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ねこにゃん(プロフ) - orangeさん» ご挨拶いただきありがとうございますm(_ _)mなんだかんだでずるずる長くなってしまってます。どうぞ最後までお付き合いくださいね♪ (2019年9月5日 0時) (
レス) id: 4b03694919 (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - 後れ馳せながら独立シリーズ？化おめでとうございます(*^^*)なんだかんだ大切にされる愛されカズちゃんのお仕事や能力や過去とか気になってしまいますねo(*ﾟ∀ﾟ*)o (2019年9月4日 22時) (レス) id: ec0a1d16c2 (このIDを非表示/違反報告)
ねこにゃん(プロフ) - orangeさん» こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます！面白いと言ってもらえて嬉しくてたまりません。まだまだ暑さは続くようですので、orange さんもどうぞご自愛くださいね。コメントありがとうございましたm(_ _)m (2019年8月14日 0時) (レス) id: 4b03694919 (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - こんにちは暑い中更新ありがとうございます！(^^)summerとても面白くて引き込まれてしまいます(*^^*) (2019年8月13日 21時) (レス) id: ec0a1d16c2 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - ちずるさん» 毎日暑いですね〜。ちずるさんも暑さには気をつけてくださいね。若い二人。書いていてとても楽しかったです。コメントありがとうございました♪ (2019年8月2日 8時) (レス) id: d02d1a736e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちえさん＆ねこにゃん | 作成日時：2019年7月9日 15時
